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ドローイング•バック 最終章

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
いつも読んでくれてありがとう!

いよいよこの物語も最終章になりました。
井口との戦いにも決着が着きます。

井口が清のカウンターについて分析しているように
清もまた井口のボディーブローの分析は徹底的に研究していた。
もともと清は筋肉の微妙な動きで次のパンチを予測する力に長けていた。
井口のビデオは何度も何度も繰り返し見ていた。
いつも目の前には井口の残像が映っていた。
何度も何度もシャドーボクシングでシュミレーションしていた。
研究して分かった事はただ一つだった。
それはやって見なければ分からないと言う事だった。
まさにやって見なければ分からない!
全くその通りだった。

ミキは何だか段々清が遠くに行ってしまうような気がしてならなかった。
黙々と過酷な練習をしている清。
声をかけるのも気が引ける程だった。
スピード!切れ!パンチ力!
どれも申し分無かった。
「最近のあいつは鬼気迫る物を感じるな!
初めての世界挑戦なんだから無理も無いが…。」
ワタやんは清について語った。

「OH!ブラボー!井口!素晴らしい!最高の仕上がりだ!
何時でも東京に行けるぞ!」
ボブは目を細めて言った。
井口はパーフェクトな仕上がりだった。
スパーリングも何百ラウンドとこなし、高地トレーニングも
全ての事はやった。
プロテストの借りを返す!
ただそれだけだった。
いよいよ東京に出発だ!
あっと言う間の3ヶ月だった。

決戦の日は来た!
前日の計量の日、2人は無言だった。
あえて話す事は何も無い!
言葉は拳で話す!そう言わんばかりだった。
数多くの報道陣で埋め尽くされた。

「本当にこの日が来たのね。」
ミキは涙が溢れ震えが止まらなかった。


翔太は悪の帝王などと言われていた時、清と身体が入れ替わってしまった。
それによって、今まで気付かなかった事を色々学んだ。
元の身体に戻り、多くの仲間も出来た。
翔太はその仲間たちと高校卒業後、会社を設立し
土木工事などの下請けを手掛けるようにした。
仲間内の団結は強く、工事も早い!
そんな評判が評価を呼び会社は急成長して行った。
翔太は百合子と結婚した。
2人の共通の話題は清の活躍!
清の快進撃に2人は嬉しくてたまらない。
その清が今日は世界タイトルに挑戦だ!
全く驚かされる事ばかりだ。
「あの清君が世界タイトルに挑戦!絶対に勝って欲しいね。」
「ああ!全くビックリだよ!絶対に勝つさ!」
2人は仲間たち共に応援に駆け付けていた。

「清、やることは全てやった!
清!行くぞ」
ワタやんが清に声をかけた。
「はい!」
「清!がんばってや!」
ミキは涙ぐんでいた。
「ありがとう!」

張り詰める緊張の中、清はリングに向かった。
いつもこの瞬間、逃げ出したくなる程怖い!
相手に倒されてしまうんじゃ無いかと思ってしまう
みんなその恐怖を打ち消し、リングに向かうのだ。
キヨシ!キョシ!キョシ!
キョシコールが鳴り響く!
武道館はぎっしり満員だ!
そして歓声が一段と高くなった!
モンスター井口の登場だ!

単身、アメリカに渡り波いる強豪を撃破し掴んだ世界タイトル!
今日はその世界ベルトを引っさげての登場だ!
高校時代、全ての大会を制しプロ入り!
華々しいスタートを切るはずだった井口!
そのプロテストでまさかの躓き!
この清に倒されてしまったのだ!
井口に取ってはあの時の借りを返す大舞台だった!
世界チャンピオンになって、清を迎え撃つ!
井口は凄い男である。
そして清も井口の期待を裏切ること無く、ここまで全勝で勝ち上がって来た。
マスコミは2人の因縁対決を煽った!
随分前から特集していた。
会場は大盛り上がりだ。
遂にこの2人の激突が実現されたのだ!
勝つのはどっちだ!
どちらも負けられない一戦!

清はボクシングを始めてまさかここまで勝ち上がれるとは思ってもいなかった。
まるで夢の中のようだ!
イジメられっ子だった自分が世界タイトルに挑戦している。
信じられない。
翔太くんと身体が入れ替わり、沢山の体験をした。
イジメられていた怒り憎しみ!
そしてそれぞれの立場を守る大変さ。
ボクシングとの出会い!
そしてワタやん!
ミキちゃん!
翔太くん!百合子さん!
浩一くん!
アニマル浜田さん!
園田くん!神田くん、獄山さん、影山くん
みんなの顔が浮かんだ!

井口は思った。
目の前のこいつのおかげで俺の人生は大きく変わった!
しかし俺はむしろ良かったと思っている。
お前がいなかったら俺はここまでなっていなかっただろう。
俺はお前を倒す為に歯を食いしばって、ここまでやって来たんだ!
今日はプロテストの借りを返させてもらうぜ!
倍返しだ!

君が代の国歌が流れた。
演歌歌手の天道よしえが歌った。

ミキは祈った!
神様!お願い!清を勝たせて!

カーン!
ゴングは鳴った!
2人がぶつかり合う!


ゴングは鳴った。
井口の闘志がメキメキ伝わってくる!
シュッシュッ!
井口がジャブを繰り出す!
バシッバシッと清も打ち返す!
初めから凄まじい攻防だ!
撃てば離れ離れれば打ち込む!
パンチの速さ!パンチの強さ!
一瞬たりとも気を抜けない!
「清!思った通り期待に応えてくれる相手だ!
全力で倒させてもらうぜ!」
ドンッドンッ!バシッ!
徐々に井口のパンチが清を押し込んで行く!
井口のパンチが顔面に襲いかかる!
それを紙一重でかわしパンチを打ち込む清!
一進一退のまま1ラウンドが終了!

「良いぞ!清!
なかなか良い動きだ!パンチも切れてる!
手数で打ち負けるな!そしてタイミングを掴むんだ!
しかしさすが井口だな!」
1ラウンドが終わりワタやんがアドバイスを出す。
「ハアハア…。井口さんは強いっす!でも、負けない!」
第2ラウンドが始まる!
「清…。がんばってや…。」ミキは祈るよりはかに無かった。
「清くん、凄いよ!なんてハイレベルの戦いなんだ!」
浩一は身体が震えた。

清は冷静に井口のパンチを見ていた。
想像通り凄い強いパンチだ!
しかし読み切ってやる!

清、なかなかやるな!
アニマル浜田の時のとは大違いだ!
全くこの進化には驚かさせられるぜ!
しかし俺は負けない!

打ち合いは続く!
試合は3ラウンドに入った。
井口のパンチに清が少しづつ合わせる!
パンチの一つ一つがカウンターになって来た。
これは防御していても、かなりの衝撃で井口を襲って来る。
なんとも厄介なパンチだ!

清は段々井口のパンチが見えて来た。
遂に井口の左肩の筋肉がピクリと動いた!
来る!あの必殺の左ボディーブローが!
清の顔に恐怖の影が浮かぶ!
清はすかさず、右脇をガード!
何度も練習した対策だった!
井口の殺人ボディーブローが!
いやボディーじゃ無い!
えっ?
殺人パンチは顔面へと飛び込んで来た!
バッキッ!
ぐあぁッ!
清は真面にパンチを食らった!
ぐらつく清!
そこに容赦無く井口のパンチが飛び込んで来る!
一体どうなったんだ…。
清は堪らず倒れた。
キヨシー!タテー!
ワタやんの声が聴こえる様な気がする。。。
何だどうなったんだ…。
やっぱり井口さんは強いや…。
僕の動きを読んでたんだ。
あの些細な動きで僕がボディーを警戒すると読んでたんだ。
正に究極のフェイントだ!
見事にやられたよ。

立て!清!立つんだ!
ワタやんの声が響く!

清は立てるのか?
頑張れ!清!
立て!立つんだ!


清は立った。
しかしダメージは大きい!
容赦無く攻め込んで来る井口!
清は防御を固める。
そこに井口の殺人ボディーブローが炸裂!
ぐあぁぁぁぁッ!
井口の必勝パターンだ!
勝てる!
井口は確信した!
とどめのパンチを思いっきり打ち込む!
そこに清のパンチが飛び込んで来た!
渾身のパンチ!
見事なカウンターパンチだった。
「ドローイングバックや!」
ワタやんが叫んだ!
井口は崩れ落ちた。
井口!立てない!
「オー!マイ ゴット!」
ボブが叫んだ!

この瞬間清の勝ちが決まった!
会場は湧き上がった!
清の手が大きく挙げられる。
ワタやんも飛び出して来た!
「やったなー!やったなー!」
ワタやんは涙を浮かべていた。
ミキも目の前の出来事が信じられなかった!
たった今まで倒れる寸前の清が…。

「やった!この僕が世界チャンピオンだなんて!
信じられないよ!
もう死んだって構わないくらいだ!」
清は叫んだ!

ソウカ、ソレハヨカッタ
ソレデハモドロウ!

そう言う声が聴こえた。

うわぁぁぁぁぁぁぁっぁ〜!!!!!
周りが歪み始めた!
ミキがワタやんが…。
清!清ー!
うわぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!!
ぐるぐる回り出した!

気が付くとあの場面に戻っていた!
そう、清がマンションの屋上から飛び降りた瞬間に!
うわぁぁぁぁぁぁぁっぁ!
アワレナショウネンヨ
コレデモウオモイノコスコトハナカロウ

新聞には二つの記事が載っていた。
『少年、イジメを苦に自殺!
マンションの屋上から飛びおりる!』

そしてもう一つは
『不良少年バイクで事故死!』

そう、あの時2人は
死んでいたのだった。

「清の奴自殺したらしいぜ!」
イジメっ子グループの1人が園田に言った。
「そうか?ちょっとやり過ぎてしまったかな?」
「ワハハハハ」みんな笑った。
園田達は清の傷みなど何も感じない!

極悪高校は翔太の事故死により獄山の支配が続いた。
しかし邪気工業の影山によって獄山は倒され
極悪高校は邪気工業の支配下になった。

虐められっ子の浩一は清の自殺の記事の新聞を見ていた。
「僕みたいにイジメられてる子もいたんだね。
でも、自殺までするなんて…。」

井口は王拳ジムに所属し、デビューから連戦連勝だった。
天狗になっていた井口はトレーナーのワタやんの言うことにも
耳を貸さず、あまり練習もしなかった。
「ふん!俺は天才なんだ!
練習なんかしなくても俺は無敵なんだよ!」
それでも井口は勝ち進んだ。
アニマル浜田とも戦った。
少し手こずったがKOで下した。
しかし世界ランカーの全米チャンピオンのカルロスとの戦いに敗れた。
世界の壁は井口には高かった。
井口は平凡な選手のまま引退した。

ミキは思った。
何か足りないような気がするなぁ。。。
ミキの足元を古新聞が風に吹かれ舞っていた。

そこには
少年、イジメを苦に自殺!
マツモト清くん(16才)イジメを苦にマンションの屋上から
飛び降り自殺
と言う記事が載っていた。

ミキは風になびく髪を手で抑え
「なかなか強い男っていないのよね。」
とつぶやいた。

おわり

みなさん、最後まで読んでくれてありがとうございました。


あとがき
みなさん、最後まで読んでくれてありがとうございました。

清が、マンションの屋上から飛び降りた時
神様があまりに清を不憫に思い、悔いのない
ようにと配慮してくれたのです。
清は翔太と入れ替わり、イジメらりてばかだったのに
色々な体験をした。
そしてボクシングに打ち込み、世界チャンピオンにまで
登りつめた。
これは現実の、清が努力した結果なのです。
清が世界タイトルを取り、納得した人生を送ったと確認した神は
時間を戻し、清が自殺して死んでしまった
本当の世界へと世の中を元に戻したのです。
奇しくも清に関わった人たちの人生も変わって
しまいました。
清が自殺して死んでしまった世界と清が生きつづけた世界との
違いもまた面白いものです。
清が死んでしまって、清がいない世界では、井口は
才能に溺れて練習もせず、それでも国内では勝ち進めるけど
世界ではそんなに甘くない!
努力していた時には、1ラウンドで倒したカルロスにも
敗れて落ちぶれて行くのです。
百合子はどうなるのでしょう?
百合子は清の自殺にも、それほど関心を示さず、何事も無かった
かのように日々を過ごし、短大に進み就職して
そこで知り合った彼と平凡な家庭を築くのです。

清は生きた証として、世界チャンピオンになったと自負を抱いて
死んで行ったのです。
そして翔太も清が勝った時点で、事故った瞬間へと戻って行ったのでした。

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アリサヤシリーズ その2

アリサヤは夜毎の清の魂の訪問に悩まされていた。
「ねえねえ、アリサヤさん。
僕もっともっとボクシングやりたいんだ!
もっともっとボクシングやりたいんだ!」

「そう、だったらやれば良いじゃない…。
フニャフニャ。。。。zzzzzzz」

「え?本当?ありがとう!」

「え?何?」

翌朝、トレーニングを始めたアリサヤがいた。
「えーん。。。私の身体を使ってボクシングするなんて聞いて無いよ〜v-356
こうして清はアリサヤの身体を使ってボクシングを始めた!
アリサヤは女子ボクシング界に旋風を巻き起こすのである!

アリサヤの活躍に乞うご期待!

アリサヤさん

おはようございます〜!
アハハハ
面白いです!
思わず笑ってしまいました。

では、アリサヤシリーズを

アリサヤはベットで寝ていた。
しかし今日もうなされていた。
自殺した少年がアリサヤに語りかけて来るんです。
「アリサヤさん、僕自殺してしまったけど、本当は世界チャンピオンになったんだよ。ねえ信じてくれるかい?
僕のカウンター凄かったんだから。。。そしてミキちゃんって言う可愛い彼女もいたんだよ。
ねえねえアリサヤさん!」
夜毎アリサヤに取り付く清の魂!
本当はまだまだこの世に未練たっぷりの清だった。
「ねえ、アリサヤさん!僕悪の帝王って呼ばれていたんだよ…。」
今度は翔太の魂が…。

No title

こんばんはv-280
清と井口の戦い、凄かったです!
負けちゃうかと思いましたが、清が勝ったんですね!

と思ったら… あの場面に戻ってしまうなんて…
この展開は想像していなかったです。
清も、翔太も、本当はこの世には居ないんですね。
このお話も、とっても面白かったです。

☆☆☆ 翌日、虐められっ子の浩一が手にした新聞には
「自殺した少年が目覚める?!」「バイクで事故死した少年が起き上がる?!」という記事が…
ミキの足元に舞う古新聞には「歩く死体」の文字…v-363
さぁついに次回は、ソンビの登場ですね!
新しいシリーズも期待していますv-291

No title

ええーっ!
なんと~
この物語 自体が 思いっきり
カウンター!?

副会長のワタやんも 叫んだ!
「ドローイング・バックやー!」 

衝撃の最終回

えぇ~!そんなぁ。
すべてが良い方向にまわってたのに、
いや、今思えば良すぎた。
神様の仕業だったんですね~。
死を選んでなければ、こんな未来もあった、
ってことを知った清は、
もし生まれ変わってまたイジメを受けてしまっても、
きっと諦めず頑張れる子になるでしょうね。

あとがき

みなさん、最後まで読んでくれてありがとうございました。

清が、マンションの屋上から飛び降りた時
神様があまりに清を不憫に思い、悔いのない
ようにと配慮してくれたのです。
清は翔太と入れ替わり、イジメらりてばかだったのに
色々な体験をした。
そしてボクシングに打ち込み、世界チャンピオンにまで
登りつめた。
これは現実の、清が努力した結果なのです。
清が世界タイトルを取り、納得した人生を送ったと確認した神は
時間を戻し、清が自殺して死んでしまった
本当の世界へと世の中を元に戻したのです。
奇しくも清に関わった人たちの人生も変わって
しまいました。
清が自殺して死んでしまった世界と清が生きつづけた世界との
違いもまた面白いものです。
清が死んでしまって、清がいない世界では、井口は
才能に溺れて練習もせず、それでも国内では勝ち進めるけど
世界ではそんなに甘くない!
努力していた時には、1ラウンドで倒したカルロスにも
敗れて落ちぶれて行くのです。
百合子はどうなるのでしょう?
百合子は清の自殺にも、それほど関心を示さず、何事も無かった
かのように日々を過ごし、短大に進み就職して
そこで知り合った彼と平凡な家庭を築くのです。

清は生きた証として、世界チャンピオンになったと自負を抱いて
死んで行ったのです。
そして翔太も清が勝った時点で、事故った瞬間へと戻って行ったのでした。


ワープ?

清くんの事件も現実だったのですね...
そして、深からの悪ではなかった翔太の事故も現実...

なりたい自分へと!
死の寸前に、二人ともワープしたのでしょうか!?

虐められっ子にも、虐める側にも...
死を選択すると、自分のなりたい自分になれないよ!との教訓も
感じます。

また人は可能性はあっても天狗になっていると、
井口のような平凡な人生で終わらせる結果にもなり兼ねないという
...人、それぞれの人生観も考えさせられますね。


「ミキは風になびく髪を手で抑え...」哀愁がありますね☆
今回の物語、長編でしたが読み易くて毎回、楽しませて頂きましたよ!

最後の結末には、さすが勘太さんだなぁと...驚いています☆
月と太陽のタイトルにぴったりですね!ありがとうございます *(^o^)/*

夢だった・・・?

これは死んでいく時に清が見た夢だったのかな?
それとも翔太の幻の物語?

考えさせられる示唆が沢山ある長編でした。
そして楽しみましたよ。

勘太さん、お疲れ様でした~~~
プロフィール

kantakun007

Author:kantakun007
初めまして
勘太と言います。
よろしくお願いします。
下手ですがイラストを描くのが好きです。
暖かい絵を描きたいなぁ。

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