ボクシングを始めた少女

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清と井口の壮絶な戦い!
清はモンスター井口を倒し世界チャンピオンに!
しかしその瞬間!

清はイジメを苦に自殺していた。
しかしあまりに哀れに思った神が清に人生の素晴らしさを与える為に
ちょうど同時刻に事故死した極悪非道の翔太と身体を入れ替えた!
そして格闘技に目覚める清!
清は元の身体に戻って、本格的にボクシングを始める。
遂にモンスター井口を破り世界チャンピオンになった清!
清が人生を充分謳歌したと思った神は清が生き延びて変わってしまった世界を元に戻した。
清はマンションの屋上から飛び降りた瞬間に戻り、清は死んだ。
しかし清はまだまだこの世に未練を残していたのだった。
そして…。

アリスはベットで寝ていた。
しかしアリスは今日もうなされていた。
自殺した少年がアリスに語りかけて来るのだ。
「アリスさん、僕自殺してしまったけど、本当は世界チャンピオンになったんだよ。
ねえ信じてくれるかい?
僕のカウンター凄かったんだから。。。
そしてミキちゃんって言う可愛い彼女もいたんだよ。
ねえねえアリスさん!」
夜毎アリスに取り付く清の魂!
本当はまだまだこの世に未練たっぷりの清だった。

「ねえ、アリスさん!俺、悪の帝王って呼ばれていたんだよ…。」
今度は翔太の魂が…。


アリスは夜毎の清の魂の訪問に悩まされていた。
「ねえねえ、アリスさん。
僕もっともっとボクシングやりたいんだ!
もっともっとボクシングやりたいんだ!」

「そう、だったらやれば良いじゃない…。
フニャフニャ。。。。zzzzzzz」

「え?本当?ありがとう!」

「え?何?」

翌朝、トレーニングを始めたアリサヤがいた。
「えーん。。。私の身体を使ってボクシングするなんて聞いて無いよ〜」
こうして清はアリスの身体を使ってボクシングを始めた!
アリスは女子ボクシング界に旋風を巻き起こすのである!

アリスの活躍に乞うご期待!


アリスは王拳ジムの門を叩いた。
「あの〜入門したいのですが…?」
するとワタやんがやって来た。
「悪いね。うちは女子はやって無いんだよ!
悪いけど、よそを当たってくれないか?」
「ワタやん、そう言わずに、お•ね•が•い…。」
アリスのふくよかな胸が揺れる。
かすかに乳首の影が浮かんでいた。
練習生たちが皆一斉にワタやんを見た!
「何でワシの名前を知ってるんだ!」
アリスは女の魅力で入門を勝ち取った。

井口がスパーリングをしていた。
「オラオラ!もっと歯ごたえのある奴はいないのか?
全然練習にもならないぜ!」
。。。。。
あれが本来の井口の姿だったのか?

「こら!井口!もっと真面目に練習に取り組め!」
ワタやんが怒鳴りつける。
「へッ、日本チャンピオンどまりの元三流ボクサーの意見なんて聞きたく無いね!」
井口は練習を切り上げ帰って行った。
「全くあいつにも困ったもんだ!
折角良い素質があるのに、あのままじゃ駄目になってしまう!
あの鼻っぱしを誰か折ってくれると良いんだが…。」
ワタやんはつぶやいた。

「ねえねえ、女子の入門者が入ったって本当!」
可愛いシュートカットの少女が入って来た。
〜あ!ミキだ!可愛いなぁ。。〜
「ねえ、ちょっとスパーリングやりましょうよ!」
ミキは強引にスパーリングに誘った。
「こら!ミキ!遊びと違うんだぞ!」
ワタやんは怒鳴ったが、まあちょっと見てみようか。。。
そう言う事で、いきなりミキとスパーリングをする事になったアリサヤ。
カーン
ゴングはなった。
ミキが速いジャブで攻めてくる!
あの時と一緒だ!
アリス風のようにミキのパンチをかわした。
「え?何…。この感触。。。
以前1度体験したような感覚。
懐かしいような切ない感覚は何?」
ミキにも清との想い出が脳裏に残っているのだろうか?
時間を戻されても…。
ミキは突然泣き出してしまった。
「ミキちゃん…。」
アリスはどうする事も出来なかった。

アリスは清が王拳ジムに移ってから通った高校に行った。
そこでは浩一がやはりイジメられていた。
浩一にボクシングの才能が潜んでいるのは分かっていた。
アリは浩一を王拳ジムに誘った。
女性と話しなどしたことが無い浩一は、顔がポーッとなりながらも
アリスの言われるがまま、王拳ジムに着いて来た。
まさか地獄のトレーニングが待っているとも知らずに…。
「ワタやん!こいつを鍛えてやってくれないか?」
アリスはワタやんに浩一を差し出した。
「ええ?なんだと?このひ弱なこいつを鍛えるのか?」
まさかこのひ弱な浩一が井口の鼻っ柱を折る事になろうとは
この時ワタやんは夢にも思っていなかった。

ボクシングを始めた少女 その2

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ワタやんは浩一を鍛え始めた。
まずは地獄の縄跳び!
スタミナも何も無い浩一。
ただただ言われた通り飛んでいた。
スタミナの無い浩一に取っては正に地獄の苦しみだったに違いない。
それでも浩一は言われた通り飛び続けた。
きっと浩一なりにイジメから脱出したいと言う思いがあったのかも知れない。
ワタやんは思った。
「ふふふ…これは意外に強くなるかも知れんな…。」
ワタやんの口がニヤリと笑った。
まずワタやんは浩一のスタミナ作りに専念した。
兎に角、走れ走れ走るのだ!
「ヒェ〜もうダメだよ〜ヒェ〜ヒェ〜ヒェ〜!」
浩一は泣きながら走った。
来る日も来る日も…。
浩一は段々泣き言を言わなくなった。
ただただ走った!
ワタやんは
「むう〜。そろそろかな?」
ワタやんは浩一にジャブを教えた。
「良いか!これからお前に特別に必殺技のパンチを授けよう!
左足を少し前に出し左拳を顎の直ぐ下に付け
そのまま真っ直ぐ出して、素早く引く!
これを永遠と繰り返すのだ!
これはお前だけに授ける必殺パンチだ!
今日から永遠と打ち続けるのだ!」
誰が聞いても嘘だと気が付くのだが、浩一は信じた。
「はい!分かりました。」
浩一はワタやんの教えを忠実に守りジャブを打ち続けた。
ワタやんは、自分の言う事を全く聞かない井口にイライラしていた。
つい、何でも言う事を聞く浩一を面白がってからかった。
浩一はランニングとジャブを永遠と続けた。
その後、ワタやんは井口のデビュー戦などで忙しくなって、
浩一の事をすっかり忘れてしまっていた。
井口のデビュー戦も見事KO勝利で飾った!
井口はジムを上げての選手だった。
会長は多額の大金を投じて高校8冠の井口を獲得したのだった。

1ヶ月ほどして、まだ浩一がジムに来ているのに気が付いた。
「何だ?あいつまだ来ていたのか?」
見ると身体が絞れている。
ワタやんは、浩一が真面目に練習していたのが直ぐに分かった!
浩一にも変化が起こっていた。
ある日、学校の不良たちから絡まれた。
何時もの事だったが、その日は不良達にも嫌な事があったらしく
必要に絡まれた。
後ろから蹴られ!殴られ!
何人もの不良達からど突かれた!
これはリンチと言って良い程だった。
浩一は殴られ、意識が遠のく…。
浩一は無意識の内にワタやんから教わったジャブを打ち放っていた。
きゃーッと言う女性徒の声で我に返った浩一。
周りには血だらけの不良達が倒れていた。
「誰がこんな事をしたんだ…。」
自分の拳で倒したなんて信じられなかった。
「これがワタやんが言っていた。必殺パンチだったのか…。」
ワタやんは浩一の目に自信が溢れているのに気付いた。
そして浩一が放つジャブを見て驚愕した!
「何と言う事だ!これはジャブと言うよりストレートに近い!
しかも1流選手が放つストレートにだ!」
それからワタやんはワンツーを教えた。
ジャブジャブ!ストレート!
このコンビネーションだ!
浩一は水を得た魚のように生き生きとして来た。
アリスは浩一を見ていた。
そして清としてワタやんと過酷な練習をしていた頃を思い出していた。

王拳ジムはアリスの入門により女子部門を設立!
アリスとミキとそして高校総体で優勝したイチゴが入門して来た。
女子部門のコーチとしてRコーチが就任して来た。
女子ボクシングの先駆者。
そうあの鬼のRコーチだ!
冷酷無比のRコーチにアリス達は耐え切れるのか?


Rコーチは吠えた!
「何をやってんのよー!
あなた達やる気あるの!
こんなんじゃ世界チャンピオンになれないわよ!」
厳しいとは聞いていたがこんなに厳しいとは…。
Rコーチは自分が叶えられなかった夢をこの3人に託していた。
私の夢を打ち砕いた姫野ココロに復讐を果たすのよ!
姫野ココロは全日本チャンピオンの座に着いている。
世界王座挑戦目前のRコーチを新人の姫野ココロが破り
Rコーチの世界挑戦は消えた。
Rコーチは失意の中で引退!
姫野ココロは勝ち続け全日本チャンピオンの座を守り続けている。
「今度は私が育てた選手で姫野ココロを倒すのよ!」
しかし今まで育てた選手はことごとく姫野ココロにやられていた。
今度こそ!
そう誓ってこの王拳ジムにやって来たのであった。
恐いRコーチのシゴキに耐えられるのか?

Rコーチの練習は厳しかった。
しかし指導は的確だった。
全ての指導が理に叶っていた。

まずRコーチが目に付けたのはアリスだった。
あの動きはかなり鍛えられている。
身体つきは、まだまだなのに、動きはそれとは裏腹に
とても良い動きをしていた。
特に相手の癖を見抜くのが早い。
他のふたりはすっかり癖を見抜かれて、もはや
アリスの練習相手にはならなかった。
3人はプロテストに合格していて、ライセンスは所得している。
「そろそろデビュー戦を組まないといけないわね。」
Rコーチはワタやんと話し合った。
「丁度ローズジムから対戦相手の打診があったところや。
確か選手の名前は…。」
アリスのデビュー戦は決まった。
それは飛んでも無い相手だった。

クラッシャーデビル。
彼女はその名の通り対戦相手を潰して行く!
それ程強いパンチの持ち主だった。
あまりの壮絶さに皆はクラッシャーデビルと呼んだ!
そしてそれがリンクネームとなったのだった。
そのクラッシャーデビルがアリスのデビュー戦の相手だ。

ドスンッ!ドスンッ!
サウンドバックを叩く音が響く!
「え?次の対戦相手が決まったのかい?」デビルが言った。
彼女はあまりの強打に恐れられて対戦相手が見つからなかったのだ。
「ふふふ…。どこの誰だか知らないけど、対戦を受けてくれてありがたいわ。
試合が出来なくてうずうずしてたのよ!」
デビルは不気味に笑った。

「えー!クラッシャーデビルってそんなに強い相手なの?
そんなの聞いて無いわ!
私は嫌よ!絶対そんな強い相手とは戦いませんからね!」
アリスは大きな声で言った。
しかし実際に出てきた声は
「分かりました。相手が誰でも頑張ります。」
もちろん、清が代わりにアリサヤの身体を通じて答えたのだった。
「そう、頼もしい答えだわ。」
Rコーチは満足気だった。
〜えーん!そんな…。私は嫌よ!〜
アリスの心の声は声として出て来なかった。

その頃浩一はメキメキ才能を開花させていた。
ワンツーワンツー!ストレート!
フック!アッパー!
浩一は多彩なパンチを物にしていた。

「へッ!ワタやん、そんな奴鍛えても仕方ないぜ!」
井口が珍しくワタやんに絡んで来た。
ワタやんが浩一を可愛いがるので、ヤキモチを妬いているのかも知れない。
「へへ!良かったら俺がスパークリングやてやろうか?」
執拗に絡んで来る井口。
ワタやんは考えた。
もちろんまだまだ井口には敵わない。
しかしワタやんには秘策があった。
「そうか?良かろう!
じゃ井口の胸を借りようかな?お手柔らかに頼むぜ!」
ワタやんは井口に言った。
ワタやんは井口の気になる欠点に気付いていた。
そこを浩一に突かせて見たかった。
「ワタやんさん…。そんな井口さんとスパーリングなんて無理ですよ〜。」
浩一は震えていた。
「大丈夫だ!自分を信じろ!
もしやばくなったら直ぐ俺が止めてやる。
お前が死んだら俺が骨を拾ってやる!」
あまり励ましの言葉になっていない。

井口は苛立っていた。
いつも目にかけてくれていたワタやんが最近はあまり小言を言わなくなった。
それも初心者を熱心に指導している。
この俺への練習を差し置いて、初心者の指導をしているのだ。
プライドの高い井口には許せなかった。

ワタやんは思った。
井口に浩一をぶつけるのは、まだ早いかも知れないが
まあ良いだろう。
井口の目を覚まさせるくらいは出来るかも知れない。
ワタやんはここのところ浩一に付ききりだった。
正直ワタやんは驚いていた。
このひ弱な情けなさそうな男が意外と吸収が早い!
真綿に水が吸い込まれて行くように、ワタやんが教えたことを吸収して行く。
浩一の才能を感じていた。
こいつの才能を開花させるのも俺の仕事だな。
こいつは意外と拾い物かも知れないぞ。
段々ワタやんは浩一を指導する事が楽しくなって来ていたのである。
それでついつい浩一に付きっきりになってしまっている。
「良いか!浩一!今までして来た事を思い出せ。
まず、相手を良く見てジャブを繰り出すんだ。
そして相手の目を見ろ!何処にパンチを打って来るか感じるんだ!」

「へッ!用意は良いぜ!早くゴングを鳴らせろよ!」
井口はリングのコーナーで両肘をロープにもたれ掛かり言った。
「良し、始めるぞ!」
リングのそばでは井口をライバル視している高校五冠の松田もスパーリングを見ていた。
カーン!
ゴングは鳴った。
「思い出せ!思い出すんだ!あの不良達を倒した時の感覚を!」
浩一は心の中で自分に言い聞かせていた。
そう、浩一は不良達からリンチを受けていた時、ワタやんから教わったジャブで
不良達8人を倒していたのだった。

井口は浩一を舐めてかかっていた。
「へッ!なんで俺はこんなチンケな奴の相手をしているんだ?
こんな奴、思いっ切りぶん殴って倒してやるぜ!」

「良いか、井口は大きなパンチを打つ前に反対側の肩が少し下がる癖がある!
その時、顎にジャブを合わせるんだ!
それがカウンターとなって、パンチ力は倍増する!」
浩一はワタやんの言葉を思い出していた。

井口はいきなり大きなパンチを繰り出して来た!
浩一はそれに合わせジャブを井口の顎に打ち込んだ!
それはジャブと言うよりストレートと言った鋭いパンチだった!
見事に井口の顎にヒットした。
バキッ!
井口は倒れた!
それは一瞬だった!
周りは我が目を疑った!
ワタやんでさえ、驚きの表情をしている。
「く、クソ…。」
井口は立ち上がった。
「クソ…。こんな奴に負ける訳にはいかない…。」
井口は効いていた、足が震えている。浩一のパンチは足に来ていた。
浩一は襲いかかって来る!
不用意にパンチをもらってしまった。
こんな素人のパンチを…。
井口は浩一のパンチをよけ、パンチを繰り出す。
浩一の鋭いパンチが井口に繰り出されていた。
なんてジャブだ!
ダメージがある井口だが何とかジャブをかわしパンチを繰り出す!
井口は必死だった!
カーン!
なんとか1ラウンドを持ち堪えた井口。
「クソー!何をやってるんだ!俺は!
こんな初心者のパンチをまともに喰らってしまって…。」
井口は本気モードになった!
正に目が覚めたと言う感じだ!

「良いぞ!浩一!良いか大振りはするな!徹底的にジャブを打続けろ!」
ワタやんは浩一に言った。
まさか井口からダウンを奪うとは、驚きだ!
これで奴も目が覚めただろう!
井口がこのジムに来てダウンをしたのは初めてだった。
いや、スパークリングの相手を圧倒して倒していた井口がダウンするなんて
みんな驚いている。
カーン!
注目の2ラウンドが始まった。
井口のダメージはまだ残っていたが、それでも何とか足は動く!
浩一はジャブを放つ!
井口が対戦したどの選手より鋭いジャブだった。
ガードする腕が痺れる程だった。
井口は必死だった!
このひ弱な初心者を相手にである。
井口がパンチを繰り出す、それに合わせて必ずパンチが飛び込んで来る!
俺のパンチが読まれている?
こんな初心者にそんな芸当が出来るのか?
あ!ワタやんの指示だ!
あのワタやんにそんなトレーナーの素質があったとは…。
ワタやんの支持を全く無視して来た事を悔やんだ。
浩一のジャブが井口を追い詰める。
井口は苦し紛れにボディーブローを打ち込んだ!
最後の力だった!
浩一の動きが止まった。
そのまま膝を着いて倒れた。
凄まじいボディーブローだった。
辛うじて浩一を倒した井口。
みな浩一の元へ。
井口は静かにリングを降りた。
このスパーリングを静かに見つめるアリスがいた。

浩一は立ち上がった。
そしてみんな浩一の健闘を讃えた。
「お前凄いよ!」
なんとか倒したが井口は敗者の気分だった。
全く鼻っ柱を折られた感じだ。
この日から井口は変わった。
練習にも力が入り、ワタやんの指導に耳を傾け素直に従った。
そして浩一もこのスパーリングで自信を付けていた。
浩一の成長振りは凄まじかった。
どんどん吸収して行く。
その後も何度も井口とスパーリングを重ねた。
井口とまともにスパークリングの相手を出来るのは浩一だけだった。
時には井口を圧倒する場面も何度もあった。
何時しか井口と浩一は熱い友情が芽生えていた。
それは井口にとっても浩一にとっても初めての事だった。
アリスはそんな2人を羨ましく見つめていた。

そんな中、アリのデビュー戦の日が来た!
強打のクラッシャーデビルにアリサヤは勝てるのか?
Rコーチは言った。
「ちょっと!私の出番が少ないんじゃないの?」

つづく

ボクシングを始めた少女ー その3

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
遂にアリスのデビュー戦!

Rコーチはクラッシャーデビルについて調べていた。
調べれば調べる程、凄い選手だった。
10戦9勝1敗7KO!
凄いKO率だ。
唯一の敗戦は姫野ココロ戦だった。
フルラウンド激闘の末、判定で敗れた。
姫野が苦戦した唯一の試合だった。
そうかあの姫野を追い詰めるなんて、凄い選手なのね。
そんなRコーチの憂いをよそに試合は始まる。

「良い?アリスさん、先ずは相手を観測して自分の合間を掴むのよ。」
Rコーチがアリスにアドバイスを送る。

アリスは震えていた。
そんな…。私が試合だなんて…。
しかもあんなに恐そうな人…。
心配ないよ!清が言った。
久しぶりの試合だなぁ…。この緊張感堪らないよね。
後は僕に任せてね。
アリスは心の中で清と会話していた。
私、痛いの嫌だからね。
分かってるよ。



ゴングは鳴った。
アリスのデビュー戦。
相手はクラッシャーデビル!
ハードパンチャーの強敵だ。

アリスはジャブを出しながら距離感を計る。
強打のクラッシャーがじっと睨み付ける。
まだパンチを出さない。
不気味な感じだ。
パワーが売り物のクラッシャーがジリジリと距離を詰める。
アリスはジャブを放ちながら距離を取る。
クラッシャーがグイグイ前に出てプレッシャーをかける。
アリスはジャブを放ちながらも距離が詰まって来るのを感じる。
なんて強引なプレッシャーなんだ。
ついにクラッシャーがパンチを放つ!
ドスンッ!ガードの上からでもお構いなしだ!
正に大砲と言う感じだ。
ドスンッ!ドスンッ!
パンチを連打する。
アリスは堪らず距離を取る。

アリスは巧みにステップを踏む。
ジャブを的確に当て、すかさず離れる。
しかしクラッシャーがそんなのお構えなしにグイグイ前に出て
アリスをコーナーに詰める。
コーナーに詰めると思いっ切りパンチを繰り出す。
巧みにかわし、コーナーから逃れるアリサヤ。
「もっと回って!回って!コーナーを背負わないで!」
Rコーチが声を張り上げる。
そこで1ラウンド終了のゴングが鳴った。

「やはりプレッシャーをかけて来るわね。
ロープを背負わないように気を付けて!」
Rコーチが的確に指示を出す。
「距離感は掴めそう?」
「ハアハア…。凄いプレッシャーとパンチです。
全く力任せにパンチを打って来る。正に名前通りですね。」
第2ラウンドが始まった
ゴングと同時にクラッシャーが飛び出して来た。
ブンッ!ブンッ!とパンチを振り回す!
アリスはフッと風のように身を交わす。
しかしクラッシャーの体がそれを阻む!
またしてもコーナーに追い込まれる!
「コーナーを背にしない!」Rコーチの声が響く!
アリスはコーナーに詰められ防御に徹している。
クラッシャーは防御の上からでもドスンッ!ドスンッ!とパンチを繰り出して
防御を吹き飛ばす気でいる。
クラッシャーが防御を吹き飛ばそうと渾身のメガトンパンチを繰り出した時
アリスのカウンターが炸裂した!
クラッシャーはアリスにもたれ掛かるように崩れ落ちた。
Rコーチは絶句した!
あんな見事なカウンターは見た事が無い!
清がモンスター井口やアニマル浜田を倒して来たカウンターパンチだった。
それはアリスの身体になっても健在だった。
Rコーチは半狂乱になるほど感激した!
「凄い!素晴らしい!
姫野ココロさえ苦戦したクラッシャーデビルを2ラウンドKOだなんて!
それもデビュー戦でよ!
全く信じられないわ!アンビリバボーよ!」
 
まゆ子は孤独だった。
小さい頃から貧しく、給食費も払えず
みんなからイジメられていた。
まゆ子は当然のように愚れた。
信じるもなのは何も無い。
とても仲間と呼べるような連中じゃ無い奴らと
つるんでいた。
学校に対しても世間に対しても突っ張っていた。
そんな中、些細な事で仲間と揉め、まゆ子は孤立した。
まゆ子はグループから追われんる身になった。
本当に些細な事だった。
レディースのリーダーの彼氏に色目を使ったとか
言いがかりを付けられた。
もちろん全く身に覚えの無いことだ。
まゆ子はグループの奴らから取り囲まれ、逃げ場の無い!
腕っ節に自信のあるまゆ子は闘った。
しかし多勢に無勢だ。
奴らに抑えこまれた時、ひとりの人影が!
なんと別のレディースのリーダー的存在の 姫野ココロだった。
彼女の可憐な身のこなし!
速いパンチ!
目の前でバタバタ倒れて行く!
なんと十数人いた奴らを全て倒してしまった。
「何で助けてくれたんだ。」まゆ子は姫野に聞いた。
「前からあんたの事は噂で聞いていたからね。
引退前に1度見ておこうと思ったのさ。
そしたら、さっきの現場に居合わせてしまった。
ただそれだけだよ。」
姫野は何事も無かったかのように言った。
「引退?あんた引退してなにするんだい?」
まゆ子は姫野に聞いた。
「実は女子ボクシングにスカウトされたのさ。」
姫野ココロはまゆ子に夢を語った。
そして女子ボクシング界にデビューした。
そうか…。ボクシングか…。
まゆ子も追うように女子ボクシング界に入って行った。

姫野ココロはデビューした。
可憐な身のこなし、持って生まれたボクシングセンス!
姫野は勝ち進んだ。
しかし姫野の前に大きく立ちはだかる壁があった。
それは日本の女子ボクシング界を牽引していた
ファイティングR!
またの名をカミソリお龍!
若き日のR コーチだ!
カミソリお龍の人気は凄かった。
並みいる強豪をなぎ倒し、世界王者に1番近い日本女子選手だった。
そのカミソリお龍との対戦が決まった。
圧倒的人気のカミソリお龍!
姫野ココロは闘った!
鬼より恐いと言われていたカミソリお龍!
しかし試合は姫野が勝利した。
可憐な身のこなしでカミソリお龍を翻弄した!
全盛期を過ぎていたとは言え、あのカミソリお龍を倒したのである。
カミソリお龍は失意のうちに引退してしまった。

まゆ子も姫野に続いてデビューした。
姫野と戦うために、姫野とは別のジムに入会した。
まゆ子も持ち味のパンチ力で勝ち進んだ!
しかも殆どKO勝ちだった。
それでクラシャーデビルと恐れられた。
いつしかリングネームもクラッシャーデビルに
変わっていた。
遂にクラッシャーデビルと姫野ココロが戦う時が来た。
それはまゆ子がボクシング界に入った時からの夢だった。
クラッシャーデビルと姫野ココロ
女子ボクシング界で確固たる地位を築き上げて行った姫野。
それを追いかけるように連戦連勝!
しかもKO勝ちのまゆ子。
遂にふたりが激突する日がやって来た。
まゆ子は姫野を目標に追い付き追い越せと辛い練習にも励んで来た。
姫野のボクシングは可憐で美しい!
沢山のファンを魅了している。
まゆ子のボクシングはどちらかと言うとヒール役だ。
いくらKO勝ちしても会場はブーイングの嵐だ。
一体何が違うんだ!
私と姫野の違いは?

運命の対決の日はやって来た。
会場は姫野のファンでいっぱいだ。
まゆ子が紹介されると早くもブーイングの嵐だ!
頭に来るったらありゃしない!
「まゆ子、遂にこの日が来たわね。遠慮しないわよ!」
姫野がまゆ子に話しかけた。
「フン!今にこの会場の声を悲鳴に変えて見せるわ。」
まゆ子が紹姫野に言った。
姫野はまゆ子を見てフフフと笑った。
カーン!
ゴングは鳴った。
まゆ子が姫野に襲い掛かる。
ブンッブンッ!
姫野が軽くステップで交わす。
しかしまゆ子は身体ごとプレッシャーをかけコーナーに姫野を追い詰める!
まゆ子の得意の戦法だ!
コーナーに詰まりながらも、姫野はパンチを繰り出す。
良いパンチがまゆ子にヒットする!
しかしまゆ子は怯まず重たいパンチを姫野に打ち込む!
堪らず姫野は身体を入れ換える。
「フーッ相変わらず強引な攻めね。」
姫野は距離を取り、まゆ子にジャブを浴びせる!
まゆ子は両腕でガードしながら突っ込んで来る。
姫野は闘牛士のようにそれを交わし、パンチを浴びせる!
1ラウンドから壮絶な展開だ!

姫野は打っては離れ打っては離れ、可憐なボクシング!
まゆ子は構わず大きなパンチを振り回す!
そう言う展開でラウンドは進んだ!

ラウンドが進んでもまゆ子のパンチは生きている!
破壊力抜群だ!
あんなパンチをもらったら一溜りも無い!
お互い体力は消耗して来た。
まゆ子は姫野をコーナーに詰める!
まゆ子が繰り出したパンチ!
遂によけ切れずに姫野にヒットした!
パンチは効いた!
姫野は足がガクッとなった。
「チイッ!まずいパンチをもらってしまったわ。」
姫野に焦りが…。
何とかしてこのラウンドを堪え切れなければ!
しつこく攻めて来るまゆ子!
クラッシャーデビル!ピッタリの名前だわ。
姫野はジャブを出しながら必死でまゆ子のパンチを交わす!
まゆ子の体力も消耗し切っていた。
最初からパンチを振り回しているのだ!
おまけに姫野のパンチを受け続けている。
遂に最終ラウンド!
ふたりは互いの力を出し尽くした。
最後クラッシャーデビルことまゆ子が攻める!攻める!
しかしここでゴングが鳴った!
勝負は判定に持ち込まれた!
判定は序盤から確実にパンチを当てていた姫野に上がった。
会場からは惜しみない拍手が起こった。
まゆ子は勝てなかったがあと一歩まで追い込んだ。
清々しさが残った。

その後も姫野は勝ち進み、遂に日本チャンピオンの座に着いた。
まゆ子も勝ち進んだが、対戦相手が2人続けて再起不能になり
対戦してくれる相手がいなくなった。
タイトルを防衛する姫野!
対戦相手がいないまゆ子!

そんな時に対戦を受けてくれたのがアリスだったのである。
相手はデビュー戦らしいが、この試合に勝って、姫野のベルトに挑戦するわ!
姫野もこの試合を観に来てくれていた。
「フフフ…。この試合勝ってあなたのベルトに挑戦しに行くから待ってな。」
まゆ子は姫野に言った。
「この試合、舐めてかからない方が良いみたいよ。」
姫野はセコンドのRコーチを見て言った。
「彼女が育てた選手はいづれも強敵だったわ。
最初はじっくり見て行った方が良さそうよ。」
姫野はまゆ子にアドバイスした。

ゴングは鳴った!
まゆ子は姫野のアドバイス通り、最初はじっくり見て行くことにした。
相手は軽くジャブは出すみたいだがあまり強さは感じられない。
まゆ子はパンチを出し、何時ものペースで戦うことにした。
まゆ子は強烈なパンチを繰り出す!
2ラウンドが始まり
アリスはジャブを繰り出すが構わずコーナーに追い詰めた!
ガードを固めるアリス!
まゆ子は構わずブロックの上からパンチを放ちガードをこじ開ける。
目一杯のパンチを放った時、ある衝撃が!
その後記憶が無かった。
気が付くと控え室で寝かされていた。
一体どうなったの?
そこにトレーナーと共に姫野ココロがいた。
「あなたは強烈なカウンターを喰らってここに運ばれて来たの。
飛んでも無い選手が現れたもんだわ。」
「そう、私は負けてしまったの…。あなたの言う通りだったわ。」
まゆ子は寂しげに言った。
姫野は新たな強敵出現に身が引き締まる思いだった。

ボクシングを始めた少女その4

みなさん、ご訪問ありがとうございます〜♪
かなりの長編になってしまいましたね


チヒロはまだ信じられなかった。
あのクラッシャーデビルが負けるなんて。
チヒロにとってクラッシャーデビルは憧れの的だった。
どんなに観客からブーイングを受けても自分を貫く強さ!
姫野ココロ戦でも判定は負けてしまったけど、内容的には
絶対クラッシャーデビルの方が押していたと思う!
あの判定は納得出来ない!
チヒロの中ではクラッシャーデビルは無敗のままだった。
そのクラッシャーデビルがまさかのKO負けだなんて…。

クラッシャーデビルはチヒロを妹のように可愛がってくれた。
ジムでは何時も練習を見てくれた。
憧れの先輩だった。
そのクラッシャーデビルが再起不能!
顎の骨を砕かれ、もうボクシングは出来ないだろうと医師から宣告された。
「今まで多くの選手を再起不能にしてしまったから自分に跳ね返っちゃたんだね。」
まゆ子は笑って見せたが、涙が頬を伝っていた。

許せない!
自分がきっと仇を打ってやる!
チヒロは唇を噛み締めた。
チヒロはデビューして3戦全勝だった。
20140512221048494.jpg

昔、チヒロはろくに学校にも行かずスケ番気取りで繁華街をうろついていた。
そこで地元のレデースと揉めた!
レデースの仲間はあっという間増え、チヒロは囲まれた。
絶対絶命のピンチだった。
チヒロは殴られ蹴られ、ズタズタにされた。
もうダメだと思った時、チームの一人が止めに入ってくれた。
「もう、その辺で良いだろう!これ以上やったら死んじゃうよ!」
それがまゆ子だった。
「さあ、気を付けて帰んなよ。」
その後、まゆ子はチームと揉める事になるのだった。

チヒロは打倒アリサヤに燃えた!
今までの何倍も練習を重ねた。
そんなチヒロにアリサヤが通う王拳ジムのミキとの試合の話が持ち上がった。
チヒロはアリサヤとやれせてくれと頼んだがダメだった。
会長は「そんなにクラッシャーの仇が打ちたいんだったら
先ず、そのミキと言う選手をやっつけてアリサヤを引きづり出すんだな!」
と言った。
なるほど、確かにその通りだった。
こうしてミキとチヒロの試合が組まれた。


姫野ココロはレデース時代を思い出していた。
仲間達を統一して、他のレデース達と張り合っていた。
そして愛する彼。
彼の名前は高野のぼる。
フリーのカメラマンだった。
彼はレデースを特集して写真集を出すと言う夢を追いかけていた。
そして彼は姫野のレデースに接触して来た。
のぼるはレデースのリーダー姫野に心を奪われた。
姫野の表情ひとつの一つが芸術だった。
その美しさ!
ふたりは次第に惹かれ合い恋に落ちた。
姫野は幸せだった。
人生がこんなに素敵なものだとは思わなかった。
しかし幸せは長く続かなかった。
彼にアフガニスタンの現状を写すと言うビックリプロジェクトが舞い込んで来た。
成功すれば、一気に彼は有名カメラマンの仲間入りだ!
姫野は彼の将来の為に身を引いた。
しかし彼は姫野のそんな気持ちを理解してくれなかった。
のぼるは荒れた!
姫野に棄てられたと思い込んだ。
そんな気持ちのままのぼるはアフガニスタンに旅立った。
そしてのぼるは事件に巻き込まれて死んだ。
現地のスタッフと共に車で移動中銃撃されたのだ。

その後、アフガニスタンから彼からの手紙が届いた。

拝啓、ココロ
元気に暮らしてますか?
ここアフガニスタンは何も無い所です。
全てが荒れ果てている。
ただただ青い空。
この空が君の住む街に続いているのだと思いながら
毎日空を眺めています。
撮影は順調に進んでいます。
早く帰って、君に会いたい。
僕は君の心に気付かなかった。
そして荒んだ気持ちのままここに来た。
ここは何も無い所。
想うのは君の事ばかりだ。
そして僕は君の本当の気持ちに気が付いたんだ。
僕は馬鹿だった。
君の優しさに気付かなかった。
ココロ、ごめんな。
今、僕は君への想いを込めて写真を写しています。
自分でも良い写真が撮れていると思う。
君の事を想いながらカメラを構えると、被写体が輝いて見えるんだ。
帰ったら君に打ち明けたい。
僕の君への想いを…。

それでは、身体に気を付けるんだよ。

ここで手紙は終わっていた。
全く馬鹿なんだから!
自分が死んじゃったら何にもならないじゃ無い!
私はずっと待っていたのに…。
ココロの頬に涙が流れた。

私が今ボクシングをやってるって言ったら彼驚くだろうなぁ〜。
ココロはグローブを取り、サンドバックを叩き始めた。

全く馬鹿なんだから!
ココロは泣きながらサンドバックを叩いていた。


なこは新人の新聞記者だった。
短大を卒業し憧れのマスコミ業界に入社!
しかしなこが配属されたのは潰れかけのスポーツ新聞社。
半分はイヤラシイ広告で成り立っているスポーツ紙だった。
なこは女子ボクシングの取材に同行させられた。
「え?ボクシングって女子もあるんですか?」
なこは驚いて編集長に訊ねた。
「ああ、女子にもあるで!まだまだマイナーやが、
今年は結構粒が揃っているそうや。」
「粒が揃っている?」
なこは驚いて聞いてみた。
「べっぴんさんが多いって事や!
ウチはウチで他所と違った視点で女子ボクシングを取り上げて行くんや!」
編集長の思いはちょっと歪んでいる気はするが
女子ボクシング…。なこは凄くウキウキしていた。
一体どんなんなんだろう?
そしてなこは驚き、女子ボクシングにハマって行くのである。
先ずは女子ボクシング界の第一人者 姫野ココロの取材に同行した。
これがボクサーなの?
綺麗な顔立ち!
研ぎ済まれた身体!
これはきっと人気が出る!
編集長の狙いは当たっていると直感した。
なこは女子ボクシングに魅了された。
なこは姫野の特集記事を書いた!
なこの記事は当たった!
反響は凄かった。
なこの所属するスポーツ紙「エロチカスポーツ」は売れた!
編集長は大喜びだ!
「なこ、なかなか良い記事だ!この調子で良い記事頼むよ!」
なこは「エロチカスポーツ」に入って初めて喜びを噛み締めた。
「なこさん、良かったっすね。」
カメラマンのりょーごろーが言った。
「りょーくんの写真が良かったからよ。」なこはりょーごろーに言った。
りょーごろーは満更でも無い顔で笑った。


ワタやんは落ち着かなかった。
可愛い娘のミキのデビュー戦が決まったのだ!
ミキのボクシングセンスは親の目から見てもなかなかな物だと思う。
高校総体優勝のイチゴにも引けを取っていない。
「もっと早く!あなたの武器はスピードよ!」Rコーチが叫ぶ!
スパーリングパートナーのイチゴをコーナーに追い詰める。
「もっと連打よ!連打!」
しかしイチゴのカウンターをもらって倒れてしまった。
流石高校総体チャンピオンのイチゴである。
「脇が甘いのよ!もっと肘を引いて打たないから、相手に反撃のチャンスを与えてしまうのよ!」
Rコーチが嘆く。
ミキはデビュー戦が決まったのに、ここに来てスランプに陥っていた。
何が原因なんだ?
ワタやんは考えた。
デビュー戦を前にプレッシャーなのか?
父親としてトレーナーとしてどうアドバイスをすれば良いんだ?
勿論これまでも色々アドバイスはしている。
しかし上手くいかない。
良い所まで追い詰めるがいつも最後は倒されてしまう。

アリサヤは見ていた。
ミキには追い込んだ時に欠点がある。
それはRコーチが言うように追い込んだ時に脇が空くのだ。
それで逆転を喰らってしまう。
どうすれば良い?
その時だった。
浩一が言った。
「ミキちゃんはコーナーに追い詰めた時に焦り過ぎるんだよ。
コーナーに追い詰めた時、逆にワザと間合いを開けるんだ。
そして仕切り直しするんだよ。
僕もパンチ力が無いから、コーナーに詰めたりすると焦っちゃうんだよね。」
ミキは目から鱗が落ちた感じがした。
まさにその通りだった。
パンチ力がある者には分からない心理だ。
殆ど話したことが無い浩一の言葉。
話した事が無い浩一に自分の心理を言い当てられた。
ミキは驚いて浩一を見つめていた。

早速練習に取り入れた。
ジャブジャブ!
フック!ストレート!
スパーリングパートナーをコーナーに詰める
そしてスーッと間を開ける!
スパーリングパートナーが何事かと顔を上げたところをミキのフックが飛んで来た!
スパーリングパートナーは堪らず倒れた!
殻を一つ破った瞬間だった。

それからもミキは浩一と頻繁に話をしている。
浩一の話はミキに当てはまる事ばかりだった。
ミキが今まで感じていた事、悩んでいた事が次々に解決されて行く。
スパーリング中の考え方も参考になった。
そしてミキは浩一からカウンターの狙い方も聞いた。
なるほど…。
ミキはカウンターを取り入れた練習を開始した。
スパーリングパートナーがパンチを放ったのに合わせる!
初めは中々上手くいかなかったが、段々タイミングが分かって来た。
もちろん今までにもカウンターは練習したことはある。
だけど、どうも自分の性格に合わないような気がしていた。
しかし浩一の話は分かり易く、またその気にさせるのが上手かった。
浩一が出来るなら自分にもと言う気がしてくるのだった。

ミキはスランプから脱出した。
ワタやんの目からも動きが全く違って見えた。
これなら行けるぞ!
しかしワタやんが気になるのは、ミキと浩一の仲だ!
浩一!ワシのミキに手を出したらコンクリート詰めにして
大阪湾に沈めたるぞ〜!
ワタやんは心の中で叫んで、浩一を睨みつけていた。

ワタやんの心配をよそにミキのデビュー戦は近づいて来た。
ミキ対チヒロ!
ふたりの戦いはどうなるのだ?

ボクシングを始めた少女 その5

みなさん、ご訪問ありがとうございます〜♪

チヒロは絶好調だった。
この日はまゆ子も見に来てくれていた。
顎のギブスが痛々しい。
スピード、パンチの切れ共に申し分なかった。
この調子なら日本チャンピオンにも勝てそうだった。
あのスケ番崩れが良くここまで成長した物だとまゆ子は思った。
チヒロの武器はここ一番と言う時の集中力だ。
チャンスを絶対に逃さない!
またまゆ子譲りのパンチ力も健在だ!
何故、デビュー戦にこれ程の強敵を選ぶのだ?
正直デビュー戦で戦う相手では無い!
チヒロは試合数こそ少ないが試合内容は相手を圧倒しての見事なKO勝ち
なのである。
それを知らないわけでは無いだろう?
ひょっとしてそれ程自信があるって言う事なのか?
まゆ子はアリスの事を思い出した。
とてもあれがデビュー戦とは思えなかった。
そんなに王拳ジムの選手達は強いのか?
だとしても、今のチヒロ相手に勝てるとは思えない。

デビュー戦を明日に控えた日。
ワタやんはお墓参りに来ていた。
「かあちゃん、ミキを勝たせてやってくれ…。お願いだ!」
拝んでいるワタやんの後ろで
「こらこら!ワテはまだ生きれるでぇ!」
「ぎゃぁああああ!冗談だってばッ!」
いつも仲の良いワタやん夫婦である。


なこは女子ボクシングの試合の取材に来ていた。
初めて見るボクシングの試合!
なんでもデビューから3戦連続KO勝ちの凄い選手がいるらしい。
しかも相手は今日がデビュー戦とのこと。
それじゃ今日もまたKO勝ちで決まりよね。
実際なこは華々しい戦歴を作るために弱い相手と試合を組んでいると思っていた。
実際3戦連続KO勝ちなのに、今日がデビュー戦の相手と戦うのっておかしくない?
そう思っていた。
注目の試合は3試合目だった。
注目の選手、チヒロ選手だ!
キリッとしていて中々凛々しい。
そして対戦相手の選手は…?
まだ高校生見たいだ。
まだ可愛らしさが残っている。
それに緊張感が漂っている。
これじゃ可哀想過ぎるわ。
あまりに力の差があるように感じ、なこはどう言う風に記事に
まとめれば良いのだろう?と思っていた。

遂にミキの試合の日はやって来た。
「ミキちゃん、頑張るのよ!」アリスはミキに声をかける。
かなり緊張しているのが伝わってくる。
なんとかリラックスさせなくちゃ。
「浩一くん、ミキちゃんに声をかけてやって。」
アリスは浩一に言った。
今のミキには浩一の言葉が1番元気が出るだろう。
「ミキちゃん、落ち着いて、焦らず相手を良く見て行くんだよ。」
浩一は緊張しているのミキに声をかけた。
「あ、浩一くん!」ミキの顔が明るくなったのをアリサヤは感じた。
やっぱり今のミキには浩一が合ってるんだね。
ちょっと寂しく感じるアリスだった。
セコンドにはワタやんとRコーチが付いている。
チヒロはクラッシャーの後輩だ。
クラッシャーへの思いをミキにぶつけて来るだろう。
ミキちゃん、頑張るんだよ!

チヒロの調整は上手く行った。
誰が相手でも負ける気がしない、相手のミキと言う選手を倒し
アリスを引き摺り出し、クラッシャーの仇を討つ事しか考えていない。
クラッシャーも見に来てくれいる。
カーン!
ゴングがなった。
チヒロはデビュー戦で緊張しているミキに襲いかかった。
「ミキ!ジャブやジャブで攻めて行け!」ワタやんの声がこだまする。


落ち着け!落ち着くんだ!ミキは自分に言い聞かせていた。
相手が強敵なのは知っていた。
しかしそんな泣き言は言ってられない。
日々の辛い練習を思い出すんだ。
ミキはジャブを繰り出す。
チヒロはそれをブロックし、力強いパンチを放つ!
ミキは距離を取り、それをかわす。
上手い!
今日がデビュー戦だけど、幼い頃から基礎を叩き込めれてるっと言った感じだわ。
チヒロは思った。
まゆ子さんの仇を取ると言うより、この1戦を全力を尽くさないとヤバイわ。
息つく間も無い程の攻防!
打っては離れ、離れては打つ!ミキ。
ジャブをブロックしグイグイ間合いを詰めて来るチヒロ!
硬さも取れ、ミキは第1ランドを互角で終えた。
「中々良い動きよ。ジャブを的確に狙って行くのよ。」Rコーチの指示が飛ぶ!
ミキは浩一の姿を探した。
いた!リングそばで腕を上げて声援している。
ミキは嬉しかった。
201405180731406b9.jpg


ゴングと共に第2ラウンドが始まった。
「頑張れ!」ワタやんは祈る思いで声をかける!
20140518065550f47.jpg

ミキの動きは良かった。
浩一との練習でメキメキ上達して行った感じだ。
あいつはトレーナーの才能があるのかも知れんな。。。
ミキのジャブが的確にチヒロを捉える!
チヒロもミキのジャブを跳ね除けボディーから顔面へと打ち込む!
あーっ、良いパンチがミキに当たった!
フラつくミキ!
一気にたたみかけて来るチヒロ!
ミキは防御しながらもコーナーに追い詰められた。
相手のパンチに合わせるんだ!
タイミングを測るんだ!
浩一との会話が頭をよぎる。
ロープを回りなんとかコーナーから抜け出すミキ!
そしてチヒロのパンチに合わせパンチを出す!
カウンター気味にミキのパンチがチヒロを捉える!
一進一退のままラウンドは進む!
負けられない!まゆ子さんの為にも負けられない!
チヒロはつぶやく!
絶対に勝って見せる!


ユカ・メンドーサは世界チャンピオンの座に着いていた。
過酷な減量!厳しいトレーニング!
女子ボクサーの憧れの的だ!
この日もタイトルマッチを終え、防衛も10回を超えた。
次のタイトル戦はジャパンのジムからオファーが来ていた。
ジャパン?
ボクシング選手にとって日本人とのタイトルマッチは魅力だった。
兎に角ファイトマネーを吊り上げて破格の金額を提示して来るのだ!
ユカ・メンドーサは密かに来日していた。
そして幾つかの試合を観戦した。
日本はまだまだ女子ボクシングに関しては後進国だ。
そしてこの試合も会場の片隅で観戦していた。
この国は姫野ココロだけだと聞いていたがこの選手達も中々やるじゃ無い。
でも、まだ私に挑戦するのは早過ぎるわね。
そう思っていた時、アリサヤとすれ違った!
その時、お互い何かを感じた!
強い者同士が感じ合う強い何かを!
日本でこの感触を感じるなんて思ってもいなかったわ!
あの子は誰なの?
すぐに調べさせた。
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アリス!王拳ジムのアリス!
「ふふふ…日本に来た甲斐があったみたいだわ。」
ユカ・メンドーサはポツリと洩らし会場を後にした。

試合は白熱していた!
ミキは浩一のアドレスを思い出す。
〜良いかいパンチを打つときこうやって拳を回転させるんだ!
相手のパンチに合わせ当たる寸前に回転させる!
するとの威力は倍増するよ!
名付けて必殺コークスクリューカウンターパンチ!
これがミキの必殺パンチだよ。

そう、私には必殺コークスクリューカウンターパンチがある!
チヒロはミキをコーナーに詰め
そして思いっきりパンチを打ち込む!
ミキもそれに合わせて必殺コークスクリューカウンターパンチを放つ!
会場が一瞬静まりかえる。
201405180722266df.jpg


試合はKOで決まった!
「良く頑張ったよ。デビュー戦にしては上出来だよ。」ワタやんが言った。
ミキはずっとうつむいていた。
そして浩一の顔を見ると泣き崩れた。
「ゴメンね。ゴメンね。浩ちゃん、ゴメンね。」

チヒロはパンチを振り下ろす!
ミキもそれに合わせパンチを放つ!
しかしミキのパンチは微かに外れ、チヒロのパンチが炸裂した。
ミキは倒れた。

「大丈夫だよ。勝負は時の運さ。次はきっと勝てるよ。」
浩一は優しく言った。
「うん。」ミキは泣きながら笑った。

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ボクシングを始めたアリサヤさん 最終章

みなさん、ご訪問ありがとうございます〜♪

ミキちゃん、負けてしまいましたね。
ショックです…。
でもまだ若いからこれから頑張ってくれるでしょう。

初めから読みたい方はこちらからどうぞ


ミキは悔しくて、敗戦の後も練習に励んだ!
その後、ミキは復帰戦を勝利で飾り、その後も勝ち進んだ。
イチゴもデビューを果たし、只今3連勝中だ。
そしてチヒロは念願のアリサヤとの試合が決まった!

チヒロもアリサヤも連勝中だ。
勝った方が姫野ココロに挑戦!
また、その勝者が世界王者ユカ・メンドーサと対戦させると言う話が有力視されていた。
そしてイチゴもその後に続いている。

チヒロにとってやっと巡って来たチャンスだ。
まゆ子さんの仇を取る!
チャンピオンと戦うより嬉しかった。

チヒロはスピードパンチ力共に成長していた。
只々アリサヤと戦う事だけを夢見て辛い練習に耐えて来た。
そして決戦の日はやって来た。


遂にまゆ子さんの仇を討てる!
チヒロとアリサヤの試合が始まった。
「良いか!あいつのカウンターには気を付けるんだぞ!
けして大振りはするな!」
会長がチヒロに声をかける。
「ハイ、わかってます!」
チヒロはアリサヤのビデオは何回も何回も見ていた。
1ラウンド開始のゴングが鳴った。
会場には姫野ココロも観に来ていた。
勝った方が自分に挑戦して来るのだ。

チヒロはスピードを生かしグイグイ攻めて来る。
アリサヤはそれを風のように交わす。
しかし交わす方にチヒロのパンチが飛んで来る!
かなり研究しているようだ!
「なる程…なるな!」
アリサヤの中の清は思った。
〜だ大丈夫なの?〜アリサヤは清に言った。
「ああ、心配いらないよ。」
アリサヤはチヒロの猛攻をブロックで防ぎ、距離を測るようにジャブを出す。

1ラウンドが終わった。
「良いぞ!良い動きだ!」
会長がチヒロに言う。
「いや、余裕を持ってよけられている感じです。チキショー!」
2ラウンド開始のゴングが鳴った。
チヒロは飛び出し、連打を放つ!
アリサヤもタイミングを図ったようなパンチが飛び出す!
ひとつ一つがチヒロに的確に当たる!
アリサヤはチヒロをコーナーに追い込んだ!
「なんて的確なパンチなんだ!」
チヒロが苦し紛れに出したパンチにカウンターを合わせた!
チヒロは崩れ落ち、まゆ子の敵討ちも崩れ去った。
ぐあぁああああ!まゆ子さん!ゴメン…。
チヒロは倒れ起き上がることは無かった。
見事なKO勝利だった。

「くっ、なんて強さなの?!」
姫野はアリサヤを見つめた。
いよいよ次は姫野との一戦だ!
しかし姫野はアリサヤの弱点を掴んでいた。


遂に姫野との1戦が決まった。
今までの相手とは違う!
ボクシングのセンスは抜群だ!

姫野はアリサヤの分析をしていた。
あの強いボクシングの割りには、まだ身体が絞れていない。
まだまだ身体を鍛え始めて間も無い身体つきだ。
恐らくスタミナはそんなに無いはずだ。
勝負は後半にした方が良いだろう。

そして姫野は必殺パンチに磨きをかけていた。
その名もココロボンバー!
正に爆弾のような破壊力だ!
ドバーンッ!
サンドバックを撃ち抜く!
ココロボンバー!炸裂!
サンドバックが舞い上がる!
恐らくこのパンチをまともに喰らって立てる選手はいないだろう。
アリサヤのカウンターパンチ対ココロボンバー!の対決だ。

そして決戦の日は来た。
会場はココロのファンで覆い尽くされている。

「良い?アリサヤさん!姫野ココロは完成さっれたボクサーだわ。
でもあなたならきっとやってくれると信じている!
頑張るのよ!」Rコーチはアリサヤに絶対の信頼をしている。
悲願の打倒姫野が叶うと信じていた。

カーン!
ゴングは鳴った。

アリサヤはジャブを出す!
姫野もジャブで応酬!

速いスピードの勝負だ。
軽いステップでパンチを放つ姫野!
軽くよけフックを返すアリサヤ!
それをブロックしストレートを放つ姫野!

両者一歩も譲らず互角の展開で1ラウンドを終えた。
「中々良い調子よ!
焦らずじっくり相手を見て行って!」Rコーチが指示を出す。

2ラウンドが始まった。
素早いパンチの応酬が続く!
しかし姫野は勝負は後半だと自分に言い聞かせていた。
素早い連打で相手のスタミナを奪う!

清は翔太の事、百合子の事、そしてボクシングを始めた時のこと
プロテストの事、デビュー戦でのアニマル浜口の事
色々思い出していた。

そしてこの姫野ココロ戦!
本当に良い試合だ!
アリサヤの身体を使ってボクシングを出来ることに感謝していた。

姫野のパンチは鋭くキレがあり、煌めいて良いパンチだ!
アリサヤは確実にパンチを決めて来る。
的確である。
そしてタイミングも確実に合って来ている。
カウンターを気を付けなければ…。
ココロはそう感じた。

一進一退のままラウンドは進む!
試合は後半に入った。

姫野の思惑どおりアリサヤのスタミナが切れて行くのを感じた。
狙いどおりだわ!

清はアリサヤの身体のスタミナを気にしていた。
トレーニングは続けていても、今まで素人のアリサヤの身体!
後半になるとスタミナが心配なのは事実だった。
しかしこうやってボクシングをさせてもらっているだけで
アリサヤに感謝している。
贅沢は言っていられない!
そろそろ姫野も勝負を掛けて来るだろう!

衝撃の展開がアリサヤを待ち受ける!

試合は後半戦に突入した。姫野のペースが上がる!
姫野がパンチを繰り出す!
アリサヤはそれにカウンターを合わせた!姫野がぐらつく!
チャンスだ!
アリサヤはパンチをたたみ掛ける!
しかしアリサヤの身体は悲鳴を上げていた。
過酷なトレーニング!
激しい試合!
一瞬アリサヤの動きが鈍る!
姫野はそれを逃さなかった!
姫野の必殺パンチ!ココロボンバーが炸裂した!
アリサヤの身体は宙に舞った。
今まで受けた事の無い衝撃だった!
アリサヤは倒れた。
姫野は勝ちを確信した。
今まであのパンチを受けて立てた人はいないわ。
手応えは充分だった。
〜痛いー!顔が腫れちゃうわ!話が違うじゃ無い!〜
心の中でアリサヤが泣き叫ぶ!
「ああああ…。まともにパンチを受けちゃったなぁ…。」
しかしパンチを受ける直前、咄嗟に芯を外していた。
それでもダメージは大きい!
〜もう嫌よ!このまま負けちゃいましょう!〜
心の中でアリサヤが叫ぶ!
「嫌だ!ここで終わりたく無い!アリサヤさんゴメンね。もうちょっとだけ我儘許してね。」
アリサヤは立ち上がった。

「嘘でしょう?あのパンチを受けて立ち上がるなんて…。」
姫野は動揺した。
アリサヤのスタミナは切れかかっているはず、おまけにあのココロボンバーを受けて
立ち上がるなんて!
姫野は得体の知れない恐ろしさを感じた。
「これで終わりよ!今楽にしてあげるからね!」姫野は渾身のパンチを放った!
そこにアリサヤのカウンターが炸裂した!
しまった!
姫野は心の中で叫んだぁあぁああああ。
姫野は倒れた。
井口やアニマル浜口を倒した、あのカウンターパンチが炸裂したのだ。
姫野は立てなかった。

アリサヤは勝った!
Rコーチが泣き叫ぶ!

〜アリサヤさん、ありがとう〜
清は心の中でアリサヤに言った。

さあ次は世界挑戦だ!
みんなが意気込む!

しかしアリサヤは引退した。
なんで?
アリサヤは伝説の選手になった。

レジェンドアリサヤの名は何時までもみんなの記憶に残った。
しかしみんなその後のアリサヤを見ることは無かった。

〜アリサヤさん、ありがとう!
思い残すことなくボクシングを出来たよ。
最後にパンチを貰っちゃって、痛い思いをさせてゴメンね。〜

「天国に行っちゃうの?
嫌よ!もうあなたがいない生活なんて考えられないわ。
清くん、行かないで!」

〜アリサヤさん、ありがとう!〜
〜でも、もう行かなくちゃいけない〜
〜アリサヤさんのお陰で、もう何も思い残すことは無いよ〜

「行かないで!」
アリサヤは泣いた。

清の魂は天国へと旅立った。

「不思議な少女だったけど、突然何処に消えてしまったんだろう?」
「そうよね。試合の後、突然引退を表明して、そなまま姿を消してしまうなんて」
ワタやんやRコーチ達はアリサヤの消息について話していた。

その横をアリサヤは通っていた。
しかし激しい練習!減量!その反動でアリサヤは激太りしていた。
そのすぐ横を通っても誰もアリサヤの事に気がつく者は居なかった。

井口は真面目に練習をし、今度世界挑戦に臨むらしい。
浩一は選手を引退し、トレーナーの道を歩んで行く。
井口とタッグを組んで世界王者に挑戦だ!
そしていつかミキと結ばれるのを夢見ていた。

姫野はユカ・メンドーサに挑戦したが敗れ、その後引退した。
イチゴはチヒロとの王座決定戦を制し、日本チャンピオンに輝いた。

〜みんな、ありがとう〜

アリサヤは清とボクシングをしていた頃を時たま思い出す事がある。
遠い昔のことのようだ。
辛かったけど、楽しかったなぁ〜
アリサヤは懐かしい思い出を思い出しながら新しい饅頭をまた口にした。

部屋にはボクシングをしていた頃の写真が飾ってあった。
伝説の選手 アリサヤ

終わり
プロフィール

kantakun007

Author:kantakun007
初めまして
勘太と言います。
よろしくお願いします。
下手ですがイラストを描くのが好きです。
暖かい絵を描きたいなぁ。

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