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モンスター井口

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
YouTubeの投稿にハマり、昔のイラストを連続でアップしていました。

「ボクシングを始めたアリサヤさん」も終わり
井口と浩一のタッグについて書いて見たいと思います。
井口とミキ!ミキと浩一!の三角関係。
そして井口に憧れて入って来たイチゴの恋心!

「ボクシングを始めたアリサヤさん」では表して無かったそれぞれの想いなどを
書ければ良いなと思います。

「モンスター井口」

井口は世界挑戦を明日に控えていた。
そしてそばにはイチゴがいた。
ふたりはそれぞれ大事な試合を控えていた。
そしてお互いの健闘を誓い合っていた。


幼い頃からボクシング漬け!
物心が付いた時には、グローブをはめていた井口。
井口の父親はプロボクサーだった。
天才ボクサーと言われながら、拳を傷めてしまい引退。
その想いを息子に託した。
井口には才能があった。
幼い頃から数々の大会に出場し、好成績を収めていた。
高校時代は無敗のまま全ての大会を制した。
あまりの強さにモンスター井口と恐れられていた。
そして多額の契約金で王拳ジムにやって来た。
井口は天狗になっていた。
トレーナーのワタやんの指導にさえ、まともに耳を傾けなかった。
ある時、ひ弱な練習生がやって来た。
ワタやんは井口に見向きもせず、そのひ弱な練習生ばかりを熱心に指導する。
そうなると面白くない井口であった。
「へい!俺で良かったらスパーリングの相手してやろうか?」
井口はその練習生に嫉妬していた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

鳴り物入りで入って来た井口。
「今日からここが俺の戦いの場か。」
井口は身の締まる思いだった。
俺は世界チャンピオンになるんだ!
絶対世界を掴んでやる!

「よー来たな!俺はお前担当のトレーナー渡辺だ!
ビシビシシゴいてやるぜ!覚悟しておくんだな!」
突然竹刀を持って現れた時代錯誤のオヤジ!
王拳ジムの鬼トレーナーワタやんだった。
「ふん!余計なお世話なんだよ!俺は俺のペースでやらせて貰うぜ!
あんた見たいな三流ボクサー上がりのトレーナーなんて真っ平だよ!」
井口は天狗になっていた。
「な!なんだと!」
ワタやんの顔が見る見る赤くなって鬼のような顔になって行く!
その時だった、パシッと頬を叩かれた。
「あんた!何様か知らないけど、良い加減にしなよ!」
ちょっとお転婆な可愛い少女だった。
「だ、誰だお前は!」
「あたいはミキ!あの鬼のようなトレーナーの娘さ!
あんたもここに入ったんなら、ここのルールに従いな!
それにあたいの親父は3流ボクサーなんかじゃ無いからね!」
フッ、気の強い奴だぜ…。
これが井口とミキとの初めての出会いだった。


ミキは井口を見ていた。
幼い頃から、父のワタやんからボクシングの指導を受けていたミキには
井口の凄さが分かる。
全てが飛び抜けていた。
まさにモンスターと言われるのが分かる。
なんであんな奴気になるんだろう?
あんな奴大嫌いなはずなのに…。

井口にはもう1人専属トレーナーがいた。
井口の父親、井口利明だ。
彼は天才ボクサーだった。
世界挑戦も間近だった。
世界挑戦の前哨戦、全勝の天才ボクサー井口利明の日本ベルトに挑戦する
年配ボクサーがいた。
それがワタやんだった。
井口利明は試合中、右拳を傷めワタやんに敗れた。
そして世界挑戦も選手生命も絶たれたのである。
利明は夢を息子に託した。
こうして井口は幼い頃から利明の英才教育を受けて育って来た。
井口は利明の期待に応え続け、才能を開花させて行った。
インター杯ではライバル達を蹴散らし、無傷のまま全ての大会を制した。
正にサラブレット中のサラブレットだった。

王拳ジムでも井口に敵う選手は居なかった。
井口はスパーリングをしていても物足りなかった。
ワタやんの指導にも反発した。
親父の選手生命を奪ったと言う憎しみだけの目で見ていた。
ワタやんに反発する度、何故かミキの顔が浮かんんだ。
どうしたんだ?
あんなお転婆娘を気にかけるなんて…。
何と無く心にモヤモヤが残る感じだった。

そんな時、不思議な少女アリサヤが入会して来た。
何と無く何処かで会った事があるような気がする子だ。
女子はやっていないと断るワタやんを説得し入って来た。
まるで昔から知っているような感じだった。

アリサヤは見た目は見るからにボクシング素人だった。
全然鍛えられていない!
しかしボクシングセンスは抜群だった。
かなりのボクシングをやっている感じだ。
見た目とこれ程違う選手も珍しい。
そのアリサヤが1人の少年を連れて来た。
ひ弱な、見ただけで虐められっ子だと分かる。
そんな奴を何故?
ボクシングを覚えさせて復讐をさせる気か?
確かにそんな目的でボクシングを始める奴もいるだろう。
しかしそんな奴は長続きしない!
そもそもボクシングを続ける根性がある奴はイジメに会うこともない。
その少年は浩一と言った。
ワタやんの厳しい課題も黙々とこなしている。

いよいよ俺のデビュー戦が決まった。
俺の実力を見せつけてやるぜ!
それは華やかなデビューだった。
1ラウンド、一発でKO勝ちだ!
ワタやんは井口の才能に震えた。

井口のデビュー戦の後、まだジムに通っている浩一にワタやんは気が付いた。
こんなひ弱な奴がまだボクシングを続けていたとは驚きだった。
そして俺が言いつけた課題を忠実にこなしていたとは…。
身体も絞れて来ている。
そして課題を与えていたジャブを見て、ワタやんは驚いた!
凄い!ジャブと言うより、ストレートだ!
しかも1流選手のストレートだ!
ワタやんは浩一の密かな才能に気付いた。
それから付きっ切りで浩一を指導した。
浩一はドンドン吸収して行く!
ワタやんは教える喜びを感じていた。

面白くないのは井口だ!
あれだけ煙たがったワタやんが自分の元を離れ、あんなひ弱な練習生の指導をしている!

嫉妬していたのかも知れない!
井口は遂に言った。
「ヘイ!俺で良かったらスパークリングの相手してやろうか?」
しかし、一発でダウンを奪われることになろうとは、井口は思ってもいなかった!
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モンスター井口 その2

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
あの物語の裏でどんな物語が展開していたのか?

最初から読む人はココから

井口はリングに上がった。
ミキがこっちを見ているのが分かる。
「用意は出来たぜ!早く来いよ!」
井口はシビレを切らして言った。

ワタやんは考えた。
確かに浩一の成長は著しい!
こんなに吸収の早い子は初めてだ。
しかし相手は井口だ。
下手すると潰されて気まうかも知れない。
どうする…。
ワタやんは浩一の目を見た。
浩一の目の奥に闘争心の光を見たとき、やれせて見ようと思った。
「それじゃ、お手柔らかに頼むぜ!」
こうして井口と浩一のスパーリングは始まった。
いつの間にかリングサイドには多くの練習生達が集まって来ている。
井口は胸のモヤモヤを爆発させるように拳を振り下ろした。
バキッ!
見事なカウンターだった。
井口は倒れた。
あの天下無敵のモンスター井口が初心者の練習生のパンチに倒されたのだ!
なんなんだ?あのパンチは…。
井口は意地とプライドで立ち上がった。
しかしダメージは膝にまで来ていた。
襲いかかる浩一!
井口は防戦一方だ。
これ程長く感じたラウンドは今まで経験した事が無かった。
ミキは泣きたくなるような想いで井口を見ていた。
こんな姿の井口を見るのは初めてだ。
勿論、ミキだけでは無くみんな初めて見る光景だった。
なんとか一泡食わせることが出来ればと思っていたワタやんは浩一の想像以上の
上達ぶりに驚いていた。
「なんと言う奴だ…。あの井口をここまで追い詰めるとは…。」
2ラウンドが始まる。
まだ井口のダメージは抜け切って居ない。
襲いかかる浩一!
耐える井口!
もう限界だった。
やられる…。
この俺が初心者の練習生に…。
その時だった。
「ボディーを打って!あなたの得意のボディーを撃ち込むのよ!」
そんな声が聴こえた。
井口は最後の力を込めて浩一の空いたボディーにパンチを撃ち込んだ!
浩一のパンチは井口の頬をかすめ、井口のパンチは浩一のボディーに炸裂した。
浩一は倒れた。
起き上がる事は出来なかった。
駆け寄る練習生達。
井口はそっとリングを降りた。
そして声がした方を見ると、新しく入った子が見えた。
名前は確かイチゴと言っていた。
高校時代、幾つもの大会で見たことがある子だった。


イチゴは井口に憧れていた。
そして憧れは恋心に変わって行った。
イチゴは井口を追いかけて王拳ジムに入った。
イチゴはインター杯を制し、色んなところから声が掛かっていた。
それらを全て断り、王拳ジムの門を叩いた。
なんと今年から女子部が開設されたとのことだった。

部員はちょっと太り気味のアリサヤさん、お転婆なミキちゃん!
2人とも何の実績は無かった。
そんな2人を見て、女子部は大丈夫なのか?
イチゴは不安を感じていた。
そこになんとあの伝説のコーチRがやって来たのである。
イチゴは目を疑った!
あの80連勝を打ち立てたレジェンドRだ!
Rコーチの練習はキツかった。
太り気味のアリサヤさんもドンドン身体が絞られて行った。
そんな時、練習生の浩一とモンスター井口のスパーリングが始まった。
モンスター井口と初心者の練習生で無茶だ!
下手するとその練習生は再起不能になってしまうわ!
みんなそう思っていた時、井口が倒された。
ジムに衝撃が走った。
横暴無人な井口の態度にみんな碧壁していた。
みんなの顔にやった!と言う表情が現れていた。
そんな中、ミキとイチゴだけが泣きそうな顔になっていた。
イチゴはその時、ミキの気持ちに気付いた。
女としての勘であった。


井口は頭からタオルを被ってベンチにうずくまっていた。
まるで敗者のようだった。
そこにミキがやって来た。
「ふっ無様な姿を笑いに来たのか?」
井口はミキに悪態をついた。
「バカ!心配したんだから…。」
ミキは泣いていた。
そう言って走り去って行った。
なんなんだ…。あいつは…。
井口は胸が痛むのを感じた。
そんな姿をロッカーの影でイチゴは見ていた。

Rコーチの指導のもと、女子部の練習はハードだった。
そしてイチゴは2人のレベルの高さに驚いていた。
何でこの2人が今まで無名だったのよ!
インターハイでもこんな凄い選手達はいなかったわ!
特にアリサヤにはイチゴの動きは全て読まれていた。
パンチを繰り出すたびカウンターが飛んで来る。
パンチを当てることが出来ない。
そしてミキのスピード!
スピードが売り物だった私が着いていけない!
私がスピードで押されるなんて…。
そんな中、アリサヤのデビュー戦が決まった!
「さあ、王拳ジム女子部のデビューよ!みんなをあっと言わせましょう!」
Rコーチの鼻息が荒い!
相手はローズジムの…

あれ?誰だったけ?

アリサヤのデビュー戦!
相手は王者姫野ココロを苦しめたクラッシャーデビルだ。
しかしアリサヤは見事2ラウンドKO勝ちを決めた。
沸き立つ女子部!

次はミキのデビュー戦が組まれる事になった。
しかしミキの調子が上がらない。
井口への想いが募り、練習に身が入らないのだ。
五分に戦っていたイチゴとも、最近は立て続けにやられている。
イチゴはミキだけには負けたく無かった。
井口さんへの想いは私の方が上よ!
勿論口には出さないが心で叫ぶ!

「へっ、どうしたんだよ!全然練習に身が入って無いぜ!
そんなんじゃ、誰と戦ったて勝てやしない!あんまりガッカリさせんじゃ無いぜ!」
リングを降りたミキに井口は言った。
「あんたには関係無いでしょっ!」
ミキは涙を浮かべて走って行った。
バカ!バカ!みんなあんたのせいじゃない!
私の気持ちも知らないで!

ある日、ミキはイチゴと井口の会話を聞いたのである。
「この前は、アドバイスありがとな!あの言葉で救われたぜ!
あのスパーリングは負けも同然だったが、何とか面目を保つことが出来た。
お前のお陰だ。礼を言うぜ。」
井口はイチゴに言った。
イチゴは顔を真っ赤にして
「井口先輩、私の事覚えてくれてます?」と聞いた。
「ああ、幾つかの大会で見かけたことがあるよ。」
井口はインターハイを思い出しながら言った。
「私、先輩のこと憧れていました。そしてずっと好きでした。」
イチゴは顔を真っ赤にして打ち明けた。
「え?そ、そうか…ありがとう。」
井口も顔を赤らめて答えた。
今までボクシング一筋で恋愛なんて考えたことが無かったのである。
ミキは胸が張り裂けそうだった。
そ、そんなイチゴさんが井口さんの事を好きだったなんて…。
練習中もその事が頭から離れない。
ミキはドンドン調子を落として行った。
そんな調子でデビュー戦は大丈夫なのか?

モンスター井口 その3

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
同じ物語、読んでくれている人は、あらかたストーリーが分かっている中で
違った観点からの物語。
ミキの気持ちは…?井口は…?

ミキのデビュー戦も決まり、練習も最終段階になろうかと言うのに
ミキはドンドン調子を落として行く。
井口は見ていて気が気で無かった。
しかし上手くアドバイスを与えられない。
「何やってんだよ!そんなんじゃデビューなんて止めっちまえ!」
相変わらず、冷たい言い方しか出来ない。
いつも良いところまで追い詰めるものの最後は逆転のパンチを食らって倒されてしまう。
今まで遠くで見ていた浩一が口を開く。
「追い込んだ時、一呼吸置くのが良いですよ。」浩一のアドバイスは的確だった。
ミキは調子を戻して来た。
これなら行ける!
手応えを掴んで来た。
それと同時にミキと浩一は急接近して来た。
井口は気が気でない。
ミキに笑顔が戻って来た。
浩一と話が弾む、波長が合うと言うのはこう言う事なんだろうなぁと思った。
ミキは浩一の優しさに惹かれ始めている自分に気が付いて来た。


井口は浩一とスパーリングを行っていた。
浩一もかなりの上達だが、やはり井口との差は歴然としていた。
しかしジムの中でこれ程井口とやりあえる選手はいなかった。
そしてお互いボクシングの技術に付いて語り合った。
井口は次はアニマル浜口戦を控えていた。
ハードパンチャーで名を売っている連勝中の選手だった。

そして浩一はミキの指導に付ききっりだった。
まるで選手と言うより、トレーナーと言った感じである。
浩一はミキと共に必殺技にフュニッシュパンチの修得に励んでいた。
ミキのフュニッシュブローに選んだパンチは必殺コークスクリューカウンターパンチだ!
拳を回転させながら放つ威力倍増のパンチである。

いよいよミキのデビュー戦の日はやって来た。
相手はクラッシャーデビルの後輩のチヒロ。
クラッシャーと同じハードパンチャーだ!
デビュー以来3連勝中
しかも圧倒的な強さでKO勝ちを収めている。
試合は始まった!
試合は一進一退だ!
だが自力に勝るチヒロが押して来た。
お互いフュニッシュブローを放つ!
チヒロのボンバーパンチ対ミキのコークスクリューカウンターパンチ!
ミキのパンチはチヒロの頬をかすめ、チヒロのパンチはミキの頬に炸裂した。
ミキは倒れ立てなかった。
試合後、泣きじゃくるミキに優しく慰める浩一。
「良く頑張ったよ。次は必ず勝てるよ。」
ミキの心は浩一へと傾いて行った。


井口はこの苛立ちを対戦相手のアニマル浜口にぶつけた!
見事に必殺のボディーブローで2ランドKO勝ちを収めた!
井口は連勝街道真っしぐらだ!
浩一とのスパーリング後、練習に身を入れていた。
ワタやんの指導にも従っている。
元々の素材!正に国内では敵無しであった。
浩一はデビュー戦を勝利したもののその後網膜剥離を発症し、あっさり現役を引退。
トレーナーの道を歩むのである。
井口は日本チャンピオンベルトを手にし、その後東洋太平洋チャンピオンにまで登りつめた。
そして念願の世界タイトル戦へと駒を進めて来たのであった。


井口はついに世界タイトルに挑戦する日がやって来た。
王拳ジムとしても久々の世界タイトルマッチだった。
ジムを上げての大興行だ。
何と試合会場は日本武道館!
派手な演出で開催された。
ワタやんもRコーチも鳥肌が立っていた。

前哨戦ではイチゴとチヒロの日本タイトルマッチが行われ、
そして姫野ココロがユカ・メンドーサの世界タイトル挑戦する
タイトルマッチも行われる。

チヒロはミキと試合の後も全勝で勝ち上がり日本チャンピオンのベルトを手にしていた。
そのベルトにイチゴが挑戦するのだった!
「絶対に勝って井口さんに勢いを付けて見せるわ!
井口さんの為にも絶対に勝つ!」
リングサイドではミキも応援している!
Rコーチは言う
「あなたなら絶対に勝てる!
きっとアリサヤさんもこの会場の何処かで応援してくれてるはずだわ」
リングサイドで、ボリボリお菓子を食べながら観戦している太った女性がいた。
まさかその女性がアリサヤだと気付く者は誰もいなかった。
試合は一進一退!
正に実力伯仲!
アマチアからのテクニックはイチゴの方が1枚上手だ!
しかしチヒロはクラッシャーデビル譲りのハードパンチャーだ!
恐らく彼女のパンチは国内女子選手の中ではトップクラスだろう!
それでもイチゴは負けられない!
井口の為に!
井口さん!井口さん!井口さん! 絶対に勝って見せるわ!
イチゴは井口への想いをパワーに変えた!
イチゴは外見には見えない激しいパワーの持ち主だった。
激戦の末、イチゴはチヒロを倒し、日本チャンピオンのベルトを手に入れた!
「井口さん!やったよ!見てくれましたか?」
イチゴは心の中で叫んだ。

そして国内女子最強の選手!
姫野ココロが世界チャンピオンのユカ・メンドーサに挑戦する。
恐るべきパワーのユカ・メンドーサに姫野はどう戦うのか?

ユカ・メンドーサが腕を振る!
ブンッブンッ!と凄い音だ!
ゴングは鳴った。
両者が拳を合わせ試合は始まった。
勢い良く王者ユカ・メンドーサが飛び出して来た。
姫野は可憐によけカウンターのジャブを繰り出す!
それでも構わず王者は強力なパンチを繰り出す!
「凄い…。これはクラッシャー・デビルも顔負けだわ!」
パワー・スピード・迫力ともクラッシャーのレベル以上だ!
姫野はブロックしていても、体ごと吹っ飛ばされた。
姫野は翻弄した。
試合後半、ついに姫野は力尽き、マットに沈んだ。
ユカ・メンドーサは勝利の雄叫びを上げた!
姫野はそのまま引退した。

いよいよ井口の出番である。
派手な音楽、レーザービームの中、チャンピオンと井口が登場!
〜本日のメイイベント!
世界歴代チャンピオンの中でも屈指の名チャンピオン!
マイケル・ゴードン!
対する挑戦者は日本が誇るハードパンチャー
モンスター井口!〜
全く派手な紹介だ!

会場は沸き立つ!
テレビも全国に中継された。

セコンドにはワタやんと浩一が付いている!
「井口!1発頼むで!」ワタやんが気合を入れる。
「井口くん、絶対に大丈夫だよ!絶対勝てるよ!」浩一も声をかけた。
リングサイドではミキも見つめていた。
そしてチヒロを破ったイチゴも駆けつけていた。
井口はミキと腫れた顔のイチゴを見て、心に闘志を燃やした。
試合は始まる!
それぞれの希望を載せて!

モンスター井口 最終章

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
モンスター井口編もついに最終章!
って、まだ今から書きますけど…(^^;;

初めから読みたい方は「月と太陽」からどうぞ。
初めての方は上の作品集からお読み下さい。
感想なんて、聞かせてもらえると嬉しいです。

「モンスター井口 最終章」

世界タイトルマッチを前日に控えた日、イチゴと井口はジムの片隅で話をしていた。
「井口さん、いよいよ明日、念願が叶う日ですね。
絶対に勝って世界チャンピオンになって下さいね。」
イチゴは心の底から思った。
「ああ、ありがとう。お前も日本チャンピオンのタイトル挑戦頑張れよ。
お前だったら、勝てるはずだ!気合を入れて行けよ。」
「はい、ありがとうございます!井口先輩の為にも絶対に勝ちます。」
イチゴは嬉しくて、つい大声で応えた。
井口はそんなイチゴが可愛く見えて来た。
「イチゴ、明日はお互いに頑張ろうぜ。そして2人とも勝ったら一緒になう。」
井口はイチゴの愛らしさに、素直さに、自分の気持ちを打ち明けた。
そして優しく抱きしめた。
イチゴはちょっとびっくりしたが嬉しくて、
言葉にならず、ただただ涙が溢れ出て来た。
「はい…頑張ります。ありがとうございます…。」
イチゴの想いが通じた瞬間だった。

イチゴは井口への想いを秘め、見事チヒロを破り、日本タイトルを手に入た。
井口さんに喜んで貰える!
井口さん!頑張って!
井口の相手はレジャンドチャンピオンと言われる程の名チャンピオンだ。
モンスター井口と言えども、簡単に勝てる相手ではなかった。
なんと戦歴は45勝無敗!
タイトル防衛も10回を超えていた。
そしてKO率は8割を超えていた。
まさに井口以上のモンスターである。
そんな相手に井口は勝てるのか?
イチゴとの約束は守れるのか?

ゴングは鳴った。
マイケルは名チャンピオンと言われるだけあって落ち着いている。
井口が牽制のジャブを放っても軽くかわし、獲物を狙うような眼で井口を見ている。
井口は精神的に押されている。
国内選手では敵なしだった井口もこのチャンピオンには圧倒されている。
しかし彼は挑戦者、立ち向かって行かなければならない。
彼が優っているものは若さだけだった。
彼は果敢に攻めた!
しかしマイケルの強烈なパンチが飛んで来る。
1ラウンド終盤、マイケルの連打が井口を襲う!
井口はロープに詰まりながら、何とか堪え1ラウンドを終了した。
「どうした!井口!いつものお前らしく無いぞ!
パンチ力じゃお前の方が上だ!自信を持って行け!」
ワタやんが言う。
「ああ、分かってる!」
井口は応えたがまだ硬さが抜けていない。
「井口くん、力を抜いて、相手を良く見るんだ!
力は井口くんの方が上だよ!」
浩一も声をかけた。
何とか井口くんの硬さを取らなければ…。浩一は思った。
2ラウンドが始まる。
マイケルはゴングと共に猛攻を仕掛けて来る。
またロープに詰められる井口!
「井口くん!パンチを出すんだ!」浩一の声が響く!
井口もパンチを繰り出すが、なかなか当たらない。

マイケルは華々しい戦歴を打ち立てレジャンドチャンピオンの称号を得ている。
しかしどんな凄い選手でも、年齢との闘いが待っている。
それはマイケルでも同じだった。
幾ら鍛えても体力の衰えは隠せない!
早いラウンドで決めるんだ!
マイケルは、そう自分に言い聞かせていた。
「ユーハ、スバラシイセンシュダトキイテイル。
シカシオレハマダチャンピオンノザヲユズルツモリハナイ!
ユーハ、マダワカイ!
ユーハ、オレサマガインタイシタアトニチャンピオン二ナルガイイ!」
カルロスはそう言いながら、若い井口にパンチを繰り出した。
「井口さん、頑張って!」イチゴは祈りながら試合を見つめていた。
井口はマイケルの猛攻をなんとか凌いで2ラウンドを持ち堪えた。

「井口!ワレしっかりせんかい!お前もモンスターって言われてるんやさかいな!」
ワタやんが井口に声をかける。
「ああ、分かってる!」
井口はしっかりした口調で言う。
浩一は井口が大夫落ち着いて来たのを感じた。
この痺れるような感じ、これが世界戦なんだね。
浩一は全身が鳥肌が立っていた。
「さあ、頑張って行こう!」
浩一は井口を送り出した!
「井口、頼むでぇ〜」隣でワタやんが祈っている。
本当に神に祈って勝たせて上げたい。
井口、頑張れ!
ようやく井口も落ち着きを取り戻し、カルロスの動きを把握することが出来て来た。
井口のパンチも当たるようになった!
その度に会場は大興奮だ!
井口のパンチがボディーに炸裂!顔をしかめるカルロス!
「効いてるで!イッテモウタレ〜!」ワタやんが叫ぶ!
井口が続くパンチを繰り出した時、カルロスのスクリューパンチが井口のこめかみにヒットした!
ゴンッと言う音と共にコーナーに頭をぶっつけ倒れた。
それはまるで時間がユックリ流れて行くようだった。
みんな一瞬凍りつく!
イチゴが悲鳴を上げた!
井口はそのまま起き上がることはなかった。

静まり返る会場!
泣き叫ぶイチゴとミキ!
浩一は目の前の出来事が信じられない!
レフリーが試合を止めた!
担架が運ばれ井口は病院へ運ばれた。
救急車に乗り込むワタやん!
緊迫した状態が続く。
後を追う浩一、ミキ、そしてイチゴ…。

井口は危険な状態だった。
そんな馬鹿な…。あの井口さんがパンチを受けて危篤だなんて…。
神様…。お願い助けて…。
イチゴは祈った。
イチゴは初めて井口を見た時の事を思い出していた。

初めてインター杯に出場した時、何も分からずオドオドしていた。
そして高校のみんなと離れてしまって、半分泣きかけていたとき
「どうしたんだ?何?学校のみんなとはぐれて、迷子になってしまった?
ハハハハ…。馬鹿な奴だな。
あそこに受付があるから、俺が聞いて来てやるよ。
何て言う高校なんだ?」
その時、学校のみんながイチゴを見つけてくれた。
「あーっイチゴ!何処行ってたの?みんな探してたのよ!」
そう言われながらみんなに連れて行かれてしまった。
その声をかけてくれた彼が、高校1年の時から騒がれていた井口だった。
それを知った時、イチゴは驚いた。
「あの…モンスター井口。」
その時から、イチゴの心は井口へと想いが募って行った。
そして井口の試合を見に行った。
凄い試合だった。
とにかく他の選手達とはレベルが違っている。
ヘッドギアをも吹き飛ばすパンチ!
ボディに打ち込まれるとみんな倒れ込み立ち上がれない。
井口の試合を初めて見た時の衝撃は今でも忘れない。
その時から井口はモンスターと言う声が浸透して行った。
イチゴは井口の試合を殆ど見た。
そして王拳ジムと井口が契約したと聞いた時、自分も王拳ジムに入ると決めたのだった。

井口は一命は取り留めた。
しかしコーナーポストにブツかった時、首を損傷し脊髄を痛めてしまい
首から下が一生動か無いと言う。
そんな…あの井口が…。
みんなのショックは大きかった。

真夜中の井口の病室に、イチゴはいた。
意識が戻った井口…。
井口は自分が再起不能…身体が動かせなくなったことを知っていた。
井口はイチゴを見て「スマナイ…。」と言って涙を一筋流した。
そして「タノム…。シナセテクレ…。オネガイダ…タノム…。」と言った。
イチゴは涙を流しながら
「大丈夫よ。私が付いているわ。一生あなたのそばにいる。」

イチゴは日本ベルトを5回防衛し、その後東洋太平洋チャンピオンのベルトを摑んだ。
そして遂にユカ・メンドーサとの対戦!
試合は激しい攻防だった!
最後にイチゴは井口の必殺パンチのボディブローでユカ・メンドーサをマットに沈めた。
なんと!世界チャンピオン!イチゴの誕生だ!
「井口さん!やったよ!」
その後、波いる世界の強豪選手達の挑戦を退け、連続防衛を果たしイチゴは引退した。

イチゴはその後、井口と一生共に暮らした。
身体を動かせない井口。寝たっきりの井口だったが井口のそばにいられるだけで幸せだった。

「ねえ、あなた綺麗な景色ね。」
イチゴは車椅子で井口と海の見える病院の屋上に来ていた。
心地良い風が吹いてる。
井口とイチゴのリハビリは続く!

そしてある日…。
「あなた!今、足が動いたわよ!」
イチゴが嬉しそうに言う。
井口が微笑む。

辛いリハビリもふたりには幸せな日々だった。
ふたりはいつまでも寄り添い生きて行く。
いつまでも…。
20140609051350123.jpg

「あなた…綺麗ね。」

気が付けば桜の花びらがふたりを包んでいた。

おわり

あとがき

みなさん、最後まで読んでくれてありがとうございました。

最終章は幸せとは何だろう?って感じの終わり方になりましたね。
おそらく周りの人は可哀想だと言う人が多いかも知れない。

そしてイチゴの献身的な介護のお陰で、井口は少しずつ機能が回復して行くのである。
それはホンの少しずつ…。
そのホンの少しがふたりには大きな喜びとなって行く。

華々しいリングの上で、栄光を掴むもの
敗れて消え去るもの。
それでもリングに情熱を燃やすもの達がいる。

ミキは浩一と結ばれた。
浩一はワタやんとトレーナーとして、選手を支える。
また今年有望な新人が入って来た。
「浩一!しっかりしごいてやるんだぞ!」
ワタやんが言った。
「はい!任せておいて下さい!」
浩一は新人のトレーニングメニューを作成していた。
女子部のメンバーも大幅に増え、Rコーチは大忙しだった。
そしてミキも元日本チャンピオンの肩書で、トレーナーとしてRコーチを支えた。
そう、ミキもイチゴが返上した後のベルトをかけて、チヒロと再戦!
見事リベンジを果たし、日本チャンピオンに輝いていたのである。
引退後、ミキは浩一と結ばれ、可愛い赤ちゃんを産むのである。
気が付けば、ワタやんもおジイちゃんになるのであった。

長い物語、最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
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kantakun007

Author:kantakun007
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暖かい絵を描きたいなぁ。

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