不良少年の恋

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
最近はすっかり小説家気取りで
物語ばかり書いています。
変な物語じゃなくて、イラストを描けと言う
ご意見もございますが、読んで頂けると嬉しいです。
また、感想もコメントして欲しいです。

とん子の初恋
〜不良少年の恋〜

「あ〜あ、恋がしたいなぁ〜。 」
「きゃっ、とん子イヤラシー。 」
「何がいやらしいのよ!
私だって恋がしたいわよ。 」
とん子は17才、高校三年生。
片想いの男の子はいるけど、一度も話した事が無い。
本当は受験勉強で恋なんてしている暇はない。

あ、とん子!
不良グループよ。
あっちに回って行きましょう。
校舎の陰で煙草を吸っている。
その中のリーダー格の芝山。
目つきが鋭くみんなから恐れられていた。
でも、とん子はその影がある芝山に密かに恋心を抱いていた。
ねえねえ、とん子、あんな奴最低よね。
う、うん…。
その時、芝山と目が合った。
とん子は顔が赤くなった。

「おいおい、姉ちゃんたち、何でそっちに回るんだよ!
い、いえ私達は別に避けたわけじゃ…。 」
不良グループの下っ端どもがとん子達を囲った。
仕方なくとん子達は不良グループの前を通った。
不良グループの1人がとん子の肩に手をかけ
「あれ?学年成績ナンバーワンのとん子さんじゃないの? 」
「いえ、ナンバーワンだなんて…。 」
「あれあれ? 」
赤くなって、可愛い!
とん子は俯いていた。
その時、「ヤメロ! 」
芝山が一喝した。
チェッ!
とん子は芝山に頭を下げて通り過ぎた。

その夜、とん子は
「あーあ
芝山くん、カッコ良かったなぁ〜。
ちょっと怖かったけど…」
「ヤメロ!」
とん子は真似して言って見た。
「キャーッ カッコ良い〜!」
そう、とん子の片思いの相手は芝山だったのだ。

翌朝、昨日の友達が
「とん子、昨日は恐かったね。
私、先生に言いつけてやる!
とん子も一緒に来てくれるよね。 」
「え? 私は良いわ。 」
「えー?何で?先生に言いつけようよ。」
「とにかく私は良いの! 」

校門に差し掛かると、そこに芝山がいた。



芝山はとん子を見つけると、
「わりゃちょっと来いや! 」
「とん子! 行っちゃダメよ!
私、先生を呼んでくる! か

「良いの! 大丈夫よ。 」
とん子は芝山の方に歩き出した。
すると芝山は何かを取り出し、とん子に渡した。
「これワレのやろ? 」
それはとん子の生徒手帳だった。
「これを渡すために、ずっと待ってくれてたの? 」

「そんなんやなか! 」
芝山は手帳を渡すと恥ずかしそうに去って行った。
とん子はそんな彼が可愛く見えた。

「とん子! 大丈夫?
何もされなかった? 」
「ふふふ大丈夫よ。 」
「とん子!あんな奴に近付いちゃダメよ。
きっと昨日の続きで私達をカラカイに来たのね!
アタマに来ちゃうわね!
特にあいつ飛んでもないワルなんだから
この前もヤクザと喧嘩したって噂よ。 」


とん子はわざわざ手帳を渡すために、
朝早くからじっと待ってくれてた
芝山を愛おしく思った。

それから数日たった日曜日、玩具売り場でうろうろしている芝山を見かけた。
とん子は思い切って声をかけた。
とん子は自分が何処からこんな勇気が出て来るのか驚いた。

「芝山くん、何してるの?
この前は手帳を拾ってくれてた、ありがとう。 」
「わっ! なんだあんたか…。
確か戸田とん子やったな。 」
「うん。 芝山くん、こんな所で何してるの? 」
「いや、なんでもなか! 」
「なになに? 」
とん子は男子とは殆どまともに話さえしたことないのに
芝山の前で、こんなにスラスラ話が出来る自分に驚いていた。

「実はなぁ、俺小学4年生の妹がおってな、今日がその妹の誕生日なんやけど
なんか買っちゃろうと思うバッテン、何ば買ったら良かか分からんとたい。 」
「えー? 芝山くんに妹がいたの? 」
「ああっお転婆やばってん可愛かったい。
おにーちゃんおにーちゃんって言うもんやけん。
誕生日のプレゼントば買っちゃって約束ばしたったい。
ばってん何ば買ったら良いか分からんし、金もあんまりもっとらんけん
どげんしょうか迷いよったったい。 」
「じゃ私が一緒に選んで上げる! 」
「え? 」
「ほんなごつか? 恩に着るバイ。 」
ふたりはおもちゃ屋さんで、一緒にプレゼントを選んだ。
とん子は凄く楽しかった。
「ねえ?これは? 」
「おおっ!これは良かばい! 」
スヌーピーの縫いぐるみ。
ばってん、ちょちょ金が足らんばい。
ふふふ…。
私にも妹さんにプレゼント一緒にさせて♪
え?そげなコツ悪かばい!
良いの良いの〜♪
ふたりは見つめあって、笑った。

いつも遠くから、芝山を見ていたとん子だったが
初めて芝山の笑っている顔をみた。


今日はありがとな!
うん。

送って行ったるさかい、後ろに乗れや。
え?
芝山のバイク!
そんなオートバイとか乗った事無いし…。
良いから乗りや!
うん。
とん子は思い切って芝山の後ろに乗った。
初めて乗るバイク!
とん子はドキドキだった。
しっかり握っとくんやで!
バイクは勢い良く走り出した。
芝山の肩には買ったばかりのスヌーピーの入った袋。
そして必死でしがみつくとん子!
ふたりは走り出した。
哀しい恋に向かって…。
でも、とん子は幸せだった。

つづく

不良少年の恋 その2

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
優等生の女の子と不良少年の恋。
甘くて切ない恋
芝山ととん子はどうなって行くのでしょう。


芝山は孤独だった。
何でも力でねじ伏せてきた。
今たむろっている連中も仲間とはとても言えない
連中だった。
気に食わない奴はぶん殴り、力ずくで従わせた。
悪い事は何でもして来た。
物事の良し悪しなんて考えたことも無かった。
そう、彼女の存在を知るまでは…。

校舎の裏側で何時もの如く、たむろってタバコを吹かしていたら
彼女が俺たちの前を通って来た。
彼女と目が合ったその時、芝山は何かを感じた。

仲間内が彼女をからかう。
思わず、大声で静止させた。
仲間内が彼女の肩に手をかけた時
彼女は手帳を落として行った。
仲間内が拾ったのを取り上げた。

戸田とん子…。
その名前は芝山の脳裏に焼き受けられた。
芝山が初めて知った恋かも知れない。

それからとん子の姿が脳裏から離れない。
彼女を思うと胸が切なく苦しくなった。

翌朝、芝山は早起きをして、校門で彼女を待った。
彼女を見つけた時、芝山の顔が輝いた。
しかし、声をかける言葉が見つからない。

わりゃ、ちょっと来いや〜
最悪の声のかけかただった。

折角とん子を見つけたのに、手帳を渡すと
芝山は逃げるようにそこを離れた。
もう、心臓が破裂しそうだった。


芝山はデパートのおもちゃ売り場にいた。
なんとなく照れくさい。

芝山には、妹がいた。
小学4年生のお転婆な女の子だ。
芝山はその妹が可愛くて仕方なかった。
お兄ちゃん!
明日ココロのお誕生日、忘れていないでしょうね。
ああ、もちろん覚えとうくさ!
忘れるわけなかろうもん!
大事なココロの誕生日ば!
わーい、お兄ちゃん大好き!
私大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるけんね!
はははは〜♪
兄妹じゃ結婚出来んとばい。
そんなことないも〜ん!
はははは。
誕生日にはプレゼントば買っちゃけんな。
わーい。

プレゼントって言って見たもんやけど、
ココロの奴、どんなのが好きなのかな?
そんな時。
芝山くん、何してるの?
わっ!
芝山は背後から声を掛けられ驚いた!
こんな所で誰だ!
するとあの、とん子だった!
いきなりこんなおもちゃ売り場で声を掛けられ芝山は戸惑った。

しかもみんなから恐れて避けられているのに
このとん子は平気で話しかけて来る。
とん子は明るく可愛かった。
芝山は、戸惑ったが、いつの間には自然に話が出来た。
いつも誰かに突っ張っていたが、そんな物から解放された気分になった。
こんな気分は妹ココロといる時以外は今までなかった。
芝山は不思議な気分だった。
ねえねえ、芝山くん!これはどう?
可愛い犬の縫いぐるみをとん子は見せた。
とても可愛い犬だった。
芝山はスヌーピーを知らなかった。
うん、これは良かばい!
ウフッ
とん子の可愛い笑顔に芝山の顔は紅くなった。


走り出すバイク。
後ろにはトン子が乗っている。
芝山はとん子と離れたくなかった。
夕陽のなかをバイクは突っ走る。

わっ!
凄い景色!
そこは市内が見渡せる丘の上だった。
こんな場所があったなんて、とん子知らなかった。
夕陽に照らされながらふたりは口づけをした。
とん子は初めての口づけだった。
それは想像していたよりもっと甘く
芝山の唇が自分の唇と重なり合う。
本の一瞬の時間だったが
とん子には時間が止まったような感覚だった。

夢のような時間だった。
芝山は妹ココロの事を沢山話した。
芝山の優しい笑顔
とん子は幸せな時間だった。
もっともっと一緒にいたかったが
妹さんの誕生日!
自分も遅くなると家族が心配する。
おう、そうじゃそろそろ帰るばい。
妹の話ばっかりして、済まんかったのう!
ううん。楽しかった。

家から少し離れたところで降ろしてもらった。
芝山くん、本当に楽しかった。
妹さんにヨロシクね。
今度、ココロちゃんにも会いたいな。
おう!今度な!
芝山のバイクは走り出した。

しかし狭い街、とん子と芝山の事はすぐに
街中の噂になった。
芝山は停学!
とん子は厳重注意された。

なんで?
何も悪いことはして無いわ!
とん子は泣いた。
芝山くん…。
芝山くん…。

不良少年に世間の目は冷たかった。
学校でも、とん子はみんなの注目の的になっていた。
しかしふたりには
もっともっと哀しい現実が待ち受けていた。

不良少年の恋 その3

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
芝山との交際がバレ、芝山は停学!
とん子を見る周りの目も変わってしまった。
この後どう言う展開になっていくのでしょう。

とん子は学校に行っても、みんな怖がって
近寄って来なかった。
あの不良達でさえ、トン子を見かけると挨拶してきた。
チワース
まるで極道の妻と言う感じだった。
とん子さん、カバン持ちましょうか?
サブちゃん、ありがとう。
でも大丈夫よ。
とん子は初めは怖がっていたが話してみると
みんな良い子達だった。
とん子さん、とん子さんって
とん子は不良達のアイドル的存在になっていた。
サブちゃん、怪我してるわ!
またケンカしたの?
ハイ、テープ貼って上げるわね。
とん子さん、嬉しいっす。
ははははバカね。

芝山くん、停学はいつ解けるのかしら?
一週間の停学だから、来週からは出て来れますよ。
早く会いたいなぁ…。

とん子、お前最近不良達と付き合っているそうだな。
いえ、そんな事はありません。
学校の教頭からワシのところに電話が入ったんだぞ!
ワシの顔に泥を塗る気か!
とん子の父は市議会議員を勤めていた。
家も先祖代々の地主で裕福な環境だった。

とん子と芝山の噂を聞いて面白くないのが
スケ番イチゴだった。
イチゴは自分は芝山の彼女と思い込んでいた。
私の芝山に手を出すとは
許せない!
イチゴはスケバングループに声をかけた。
とん子はスケバングループに呼び出され、取り囲まれた。
おい!とん子!
私の芝山に手を出すとは、良い度胸してるね!
芝山はあたいの男なんだよ!
そ、そんな…。手を出すだなんて…。

その時、隣町の高校の不良グループが攻めて来た。
バイクで校舎を走り回る!
パラピラーパラピラ〜♪
ハハハハ!
芝山はいないんだってなー!
今までの仕返しさせて貰うぜ!
グランドを数十台のバイクが走り回る!
きゃー!
とん子を取り囲んでいたイチゴたちは逃げ回る!
クソー!
好き勝手な事されてたまるか!
サブたち芝山グループもグランドに飛び出して来た!
大乱闘になった!
しかし芝山のいないのを見計らって、用意周到に武装して来た
連中にサブたちは なす術もなくやられた。
奴らはイチゴ達、スケバングループにも攻撃し始めた!
オウオウオウ!
芝山の彼女をさらって行くぜ!
奴らはイチゴをさらおうとした!
イチゴさん!危ない!
とん子…。
お前…。
きゃー!
なんと!とん子はイチゴを助けるため
奴らに連れて行かれた。

とん子さーん!
サブの声がこだました!

芝山さーん!
大変だ!
と、とん子さんが極悪高校の奴らに連れて行かれた!
サブは芝山の元へ駆け付けた。
なに!
芝山はバイクを飛ばし、ひとり極悪高校へ駆け付けた。
とん子は無事なのか?
奴らは何を仕出かすか分からない、まさに極悪非道の奴らだった。
卒業生の大半が任侠の世界へ入って行くような高校なのである。
とん子さん!
無事でいてくれ!
芝山はバイクを停め、壁を登って高校へ侵入した。
奴らは体育館の裏にある、今は使われていない古い武道館をたまに場にしていた。
芝山は奴らに見つからないように、武道館を覗いて見た。
なんとそこには、とん子が奴らと楽しそう話をしていた。
何ということだ!
あの極悪非道の奴らが、とん子を取り囲んで話をしていた。
それでね。その先生ったらね。
えー!その先公どうしたんすか?
わーハハハハ!
そりゃ面白い!
その時だった!
あっ!芝山!
芝山は見つかった!
しかし乗り込んで来た芝山もなんだか拍子抜けしていた。
おー!芝山じゃないか?
どうしたんだ?
極悪非道の奴らもすっかり戦闘意識を削がれていた。

彼女を返してもらう!
そうは行かないぜ!

何言ってんのよ!
また来るからね。
そうすか?また是非来てくださいね。
約束ですよ。
うん、じゃまたね。

芝山はとん子を見た。
何と言う人なんだ!
この県下ナンバーワンの悪の奴らを手懐けている。
芝山はバイクにとん子を乗せた。
極悪非道の奴らが見送りに来ている。
じゃ、みんなまたね〜♪
芝山はバイクを飛ばした。

あなたは魔法でも使えるのですか?
え?
そんな訳無いじゃない!
そう言えば、サブや他の連中もとん子に参っているようだし
この俺だってそうだ!
この人には、みんなを引き付ける何かがあるのだ!

学校に戻るとみんなが集まっていた。
あのイチゴまでもが、とん子さん!
大丈夫だった?
うん、ありがとう!
芝山くんが来てくれたの。
流石芝山さんですね。
俺たち手も足も出なかったのに…。


とん子は極悪高校の古い武道館へと連れ込まれた。
私ここで犯されちゃうの?
みんなに廻されちゃうの?
そんなの嫌!
イヒヒヒヒ〜♪
良いネーチャンじゃのう!
極悪非道の頭のノビ山がとん子に顔を近づけて言った。
ノビ山の口臭がかかる。
イーヒヒヒ。
ノビ山は好物のピーナツを口に含んだ。
と、その時ノビ山の顔色が変わった。
見る見る青ざめて行く!
手下の奴らはオドオドするばかり。。。
ノビ山さん!
どうしたんですか?
真っ青になって倒れこんだ!
お前!何かしたのか!
これはピーナツを喉に詰まらせたのだ!
とん子は素早く動いた!
ノビ山を羽交い締めにして
そしてみぞおちを力一杯締め付けた!
何度も!何度も!
グウッとともにノビ山の口からピーナツが飛び出した。
グハァー!
ノビ山は息を吹き返した。
おおっ!
とん子は医学の知識がある訳では無かった!
たまたま前日見ていた映画に同じようなシーンがあっただけなのだ。
まさか本当に上手く行くとは思わなかった。
でも助かって本当に良かった。

ありがとう!
助かったよ。
あんたは命の恩人だ!
良いか!
俺たちはこれからこの人の味方だ!
この人に手を出す奴は俺が許さねー!
おおっ!
とん子さん、先ほどは失礼しやした。
こうしてとん子は極悪非道のみんなと打ち解けたのであった。

そんな経緯の中、芝山が飛び込んで来た。
芝山はキツネに摘ままれたような顔をしていた。

ノビ山は芝山に言った。
彼女を大切にしろよ!

そう、あんなことが起こるとは知らずに…。

不良少年の恋 その4

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
この不良少年の恋も思わぬ長編になってしまいました。
さてさて、とん子と芝山にどんな事が起きるのでしょうか?

とん子は幸せだった。
わずかな期間にとん子を取り巻く環境は変わった。
不良グループと恐れられた中に自分がいる。
不思議な感じだった。
そして芝山は優しく接してくれたし、他の仲間も慕ってくれる。
特にイチゴとは仲良くなった。

イチゴと街にショッピングに出かけた。
スケバンのヤンキー姉ちゃんのイチゴと優等生のとん子。
誰が見ても不思議な感じである。
イチゴの表情が変わった。
ヤバイ!
極悪高校の奴らだ!
イチゴは身構えた。
しかしイチゴはこの後、驚き信じられない光景を見るのであった。
ええー?
何と極悪高校の連中がとん子に挨拶しているではないか!

とん子さん、ご無沙汰しおりやす。
お元気でやんすか?
ええ、みんなも元気にしいる?
そのうち遊びに行くからね。
え?絶対すよ!
ノビ山さんにも伝えとっくす。
イチゴは信じられなかった。
この大人しそうなとん子に極悪高校の奴らが頭を下げてる!
とん子、あんた一体何物?
うふっ

芝山は今まで荒んでいた気持ちが消えている自分に驚いている。
今まで何でもかんでも、力で押さえ込んできた。
しかしとん子が現れてからは、仲間内にも絆っと呼べる信頼関係が
生まれて来ている。
確かに今までとは変わった。
今まで、何かに腹を立てていた。
見えない何かに押し潰されそうな気がして、辺り構わず
殴り付けて鬱憤を晴らしていた。

その後芝山に思いもよらぬ出来事が襲う!
それは一瞬だった。
駅の繁華街を歩いている時、背中に激痛が走った。
グウッ
振り返ると、前に殴り付けたチンピラがナイフを持って
芝山の脇腹を刺していた。
芝山はチンピラを思いっきり殴り付けた!
しかし力が入らず、そのまま倒れこんだ。
みるみる鮮血が溢れ出した。
薄れ行く記憶の中で、とん子の顔が浮かんだ。
とん子…。

大変だ!芝山さんが刺された!
サブが走って、知らせに来た。
ええー?
とん子は目に前が真っ暗になった。
そ、そんな芝山さんが…。

とん子は病院に駆け付けた!
芝山さん!
無事でいて!
泣きながら総合病院に駆けつけ!
芝山の病室は?

あっ!
芝山さん!
無事だったの?
“ああ、心配かけっちまったなぁ〜。″
芝山は優しく笑った。
良かった、
心配したんだから…。
とん子は本当にホッとして、全身の力が抜けるのを感じた。
芝山の胸によりそうとん子に
笑っている芝山がスーッと消えて行った。。。
芝山さんっ?

病室には、顔に布を被せられた芝山がベットに横たわっていた。
お兄ーちゃん!お兄ーちゃん!
妹のココロが芝山に被さって泣いている。
そ、そんな…。
芝山さん…?

“とん子…。俺はここにいるよ。″
え?
振り向くと芝山が立っていた。
ええ?
どういうこと?
“どうやら俺は死んじまったらしい。みんな俺が見えないし
触っても、通り抜けてしまうんだ。″
“って、とん子には、俺が見えるのか?″
ええ…。
じゃ、あなたは幽霊になってしまったの?

壁に向かって1人でしゃべっているとん子を見て
みんなは、可哀想にショックで意識が混乱しているんだと思った。

ココロは芝山に抱きついて泣きじゃくっている。
お兄ちゃん!お兄ちゃん!
死んじゃ嫌だ!
死なないで!死なないで!

芝山さん!
戻るのよ!
さあ、自分の身体に戻って!
まだあなたは死んじゃいけないわ!
さあ、早く!
今ならまだ間に合うわ!

芝山は恐る恐る自分の身体に重なって行く…。
すると芝山の身体が青白く光だした。
芝山は自分の身体と一体化した。
芝山は、無事蘇る事が出来るのだろうか?

芝山の指がピックピックと動き出した。
お、お兄ちゃん!
芝山の身体が少しずつ動き出した。
お兄ちゃん?
生きてる!生き返ってるよ!
そ、そんな信じられない!
担当医も看護師達も驚いている。

ううう。。。
ここは何処だ?
お兄ちゃん!
ここは病院だよ!
お兄ちゃん、今まで死んでいたんだよ!
え?
そうか。。俺はチンピラに刺されて
その後…。
芝山は、幽霊になっていた時の記憶は無くなっているようだった。

ココロちゃん、良かったね。
うん!
ココロは泣きながら笑った。
本当に良かった。
とん子も涙が止まらなかった。

芝山の傷は驚異的な速さで回復して行った。
全く君には驚かされる事ばかりだ!
これからは生まれ変わったつもりで頑張りなさい。
担当医が芝山に言った。
先生、ありがとうございました。
こうして芝山は退院した。
両脇にはとん子とココロが芝山に寄り添っていた。
そして病院を出るとそこには大勢の仲間達が芝山の退院を祝いに駆けつけていた。
お前達…。
よ〜!死に損ない!
極悪高校のノビ山達も祝いに来ていた。
みんな〜ありがとう!


とん子は芝山に聞いた。
ねえ?
本当に蘇る前の事は覚えていないの?
うん。ただ。。。
なんだか夢を見ていたような…?
天使が現れて、まだ死ぬのは早い!
早く戻りなさいと言われて…。
気が付くと病院のベットの上だった。
そう?
天使が…?
とん子はニコニコして、機嫌良さそうだった。^ ^

芝山は退院して、すっかり体力も快復していた。
何だか刺される前より、グンと力が増したような気がするよ。
芝山は力コブを作って、とん子に見せた。
でも、喧嘩に使っちゃダメよ。
もちろんさ!分かってるよ。
じゃ、約束ね♪

その時、芝山さん!
助けてくれ!
極悪高校のノビ山の手下だった。
た、助けてくれ。。。ノビ山さんがやられた。
何?あのノビ山が?
どうしたんだ!

極悪高校に転校生数人やって来て、この極悪高校を乗っ取るとほざきやがった。
むろんノビ山さんが黙っている訳は無く
俺たちは闘った!
奴らはメチャメチャ強くて、ノビ山さんがやられ、ナンバー2のガブさんまで
ヤラレっちまった。
めぼしい奴らはみんな病院送りだ。
それでもノビ山さんは奴らに従わず、傷だらけになりながら
奴らと戦っている。
もう3分の2は奴らに征圧されてしまった。
奴らは極悪高校を征圧した後、周りの高校も征圧に乗り出すつもりだ。
もう、頼れるのは、あんたしかいない。
頼む!ノビ山さんを助けてやってくれ!
わかった!
心配するな!
とん子! すまない。お前との約束は守れない!
芝山さーん!
芝山はとん子を残し、1人で極悪高校へ向かった。

サブちゃん!
みんなを集めて!
おう!
とん子達は芝山を追って極悪高校へ向かった。

芝山と極悪転校生との闘い!
壮絶な闘いが始まる。

今までだだの敵でしかなかったノビ山のために立ち上がる芝山!
これまで誰かのために闘う事など無かった。
確かに芝山は変わった!

極悪高校は芝山が思っていた以上に変わり果てていた。
芝山はノビ山達を救えるのか?
極悪転校生との闘いは?

続く

不良少年の恋 最終章

みなさん、ご訪問ありがとうございます。
不良少年の恋もいよいよ最終章


芝山は極悪高校に着いた。
窓ガラスは割られ、元々殺風景で索漠としていたが
なお荒れ果てて見えた。

ノビ山〜!ノビ山〜!
芝山は呼んだ!
あっ芝山さん、こっちです。
おお、芝山…。
お前まで巻き込んじまって、すまねえ。
しかし酷いヤラレようだな。
ところでどいつだ?
クソ転校生って言うのは?

ホーホホホ!
ノビ山〜!
観念して私の下につきなさい!
いつの間にか芝山達は囲まれてしまっていた。
クソっ!
あいつが転校生達のボス、有沢だ!
オカマみたいな喋り方だがメチャ強いぞ!

任せとけ!
芝山は前に出た。
元々の極悪高校の奴らは芝山の強さを知っていたので
サーッと引いて、有沢と転校生だけが残った!
ん?どういうことなの!
さあ俺が悪の転校生を退治してやるぜ!
かかって来な!
ふふふ…。生意気なのね。
ファ〜!
有沢が
奇声を発すると、まわりが薄暗くなった。
有沢の身体が光だし、芝山の身体が動かない!

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何だ!
どうしちまったんだ!
身体が…。
そこに有沢が襲いかかる!
グワッ
芝山、絶体絶命のピンチだ!



ホーホホホ
どうしたのです?
威勢良く飛び出してきた割には、全然大した事ありませんね。

クソ…。
どうしたと言うんだ?
全然身体が動かない!
その時、とん子達が乗り込んで来た。

芝山さーん!
大丈夫?
と、とん子!

とん子さん、なんだか芝山さん様子が変ですね。
まるで催眠術にかかっているようだわ。
どうすれば良いの?
オッパイを見せて上げるとかは?
ゴンッ!
サブちゃん!バカなこと言わないで!

芝山さん!
私を見て!
あなたは催眠術にかかってるのよ!
私を信じて!
あなたの身体は動くわ!
今まで以上に力強く!
あなたの拳には、仲間みんなの想いがこもっているのよ!
その時、強い風が吹きとん子のスカートがめくり上がった!

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グオォォォォおおおお!

芝山の身体が雄叫びと共に動き出した。
そして有沢の顔面を貫いた!

さあ、勝負はこれからだ!
有沢!かかって来い!

有沢のパンチが芝山を襲う!
ダメだ!
お前のパンチには魂がこもっていない!
俺の拳には仲間達の強い絆が宿っているんだ!
俺には仲間がいる!
お前のように、力で押さえつけて従わしている部下じゃない!

お前たちも思い出せ!
ノビ山と過ごした日の事を
こんな奴の力に屈して良いのか?
ノビ山は傷つきながらも、お前達の為に戦っているんだ!
そのお前達がこんな奴の力に屈してどうするんだ!
目を覚ませ!

ガハハハハ〜!
無駄だ!無駄だ!
こいつらは俺には歯向かうことは出来ない!

そうだった。
すまなかったノビ山さん!
ひとり、また1人とノビ山の方へ戻って行った。
そして気が付くと全員がノビ山の元へ戻って来た。

クソー!お前達!
どうなるか分かっているだろうな!

仲間とは、絆とはそう言う物なんだ。
さあ来い!お前を宇宙の彼方までぶっ飛ばしてやる!

許さない!
キェーッ!
うりゃぁぁぁぁ!
ドンッ!
勝負は決まった。
有沢は崩れ落ちるように倒れた。

うおおおおお〜♪
みんなが歓声を上げた!

芝山は、仲間の為に闘う事の素晴らしさを実感した。
俺もちょっと前まではこいつと同じだった。
自分の事しか考えていなかった。
しかし今は違う!
仲間がいる!

芝山の周りには、みんなが集まって来た。

有沢たち転校生はすごすごと逃げて行った。

芝山、今回は世話になったな。
ひとつ借りが出来たぜ。
何を言っているんだ?
もう俺たちは仲間だ。
貸し借りなんて、無いんだよ!
ふふふ。。。お前は変わったな。
ああ、お前もな。
ははははは〜。

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じゃ、またな。
とん子、帰ろうか?
うん。

とん子は芝山のバイクの後に乗った。
しっかり捕まっていろよ!
うん!
芝山ととん子のバイクは夕日に向かって走り出した。

待って下さいよ〜♪
サブたちも後を追いかけて行った。

ノビ山達は笑いながら、それを見送った。

終わり

プロフィール

kantakun007

Author:kantakun007
初めまして
勘太と言います。
よろしくお願いします。
下手ですがイラストを描くのが好きです。
暖かい絵を描きたいなぁ。

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